246 (新潮文庫)
246 (新潮文庫) / 感想・レビュー
ミカママ
その昔246沿いの学校に通い、居を構えていたわたしには、胸を鷲づかみにされるタイトル。同じ時期に同じ街に住み、同じ街で遊んでいたらしい。閑話休題。沢木さんのその交友関係に驚かされる。リアルタイムで見聞きしていたお名前や出来事をググりながらの読書となった。話題に登った本や映画には、わたしもぜひ触れてみたい。おしゃまな当時2歳だったお嬢さん、今ではとても可愛らしい声優さん&作家さんに成長されたようだ。期間にすればたった9ヶ月の日記エッセイであるが、昭和(文化)史としても読み応えある作品に仕上がっている。
2021/09/08
じいじ
ノンフィクションとフィクション両面にわたって健筆を揮う、沢木さんの日常が丁寧に綴られた「日記」は、読み応えがあり面白いです。今作の本筋ではないだろうが、ところどころで顔を出す「パパは大好き」の愛娘がとにかく可愛いです。氏の子煩悩ぶりが、だんだんに氏の仕事にはかけがえのない存在だと思えてきた。2.5歳ながらも、急テンポでオシャマに成長していくのがよく分かります。パパを相手にサッカーボールを校庭の端まで休みなしに蹴るのは、テレビの「キャプテン翼」で習得した技とのことです。またまた「読みたい本」が増えそうです。
2022/01/08
KAZOO
沢木耕太郎さんの本なので「246」という題名がついているので、この街道を最初から最後まで歩くか何かしていくのかと思いましたら、この街道を世田谷から都心に向けて歩くのでこのような題名になったのですね。今回は住居の近くのことを日記風に綴ったエッセイなので、比較的ご自分のことを多く書かれていて沢木さんがどのような人なのかが徐々にわかってきました。いい本だという気がしました。
2015/05/27
びす男
手記を読み進めているうち、沢木耕太郎さんがいかに多くのセンスある言葉に囲まれているかを思い知らされる。同時に、「この言葉はいいな」と気づく沢木さんのアンテナの感度の高さも。ノンフィクション作家として何を目指すか。そもそも、ノンフィクション作家って何なんだろうか。沢木さんはずっと考え続けている。おそらく答えが出ないからこそ、彼は書き続けているのだろうと思う。
2016/08/06
踊る猫
あまり素の部分を見せない沢木耕太郎が珍しく自分の生活を開陳してみせた日記。同業者の作品に対する目配りの効かせ方や、読書録や映画鑑賞録といった点で読み応えがある。書かれているのは至って平凡な日々なのだけれど、それをユーモラスに感じさせるのは娘との他愛もないやり取りが収録されているからかもしれない。愛くるしさが伝わって来るやり取りにこちらも目を細めてしまう。欲を言えばもっとゴシップを読みたかったのだけれど、それをやってしまわないのが沢木耕太郎という人の美点だとも思われるので痛し痒し。『深夜特急』を読みたくなる
2019/01/02
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