波の音が消えるまで 第1部: 風浪編 (新潮文庫)
波の音が消えるまで 第1部: 風浪編 (新潮文庫) / 感想・レビュー
ふじさん
伊津航平は、カメラマンだったが、サーフィンの夢を追ってバリ島に向かうも、ひょなことからマカオに辿り着く。そこで出会ったのがカジノの王「バカラ」だった。同じバカラの魔力に魅入られた老人の劉の話に導かれ、青年の運命は静かに激しく動き出すことになる。サーフィンにバカラ、私には縁のない世界だが、だから逆に展開が読めない分面白い。どんな話がこの先にあるのか楽しみだ。
2021/08/29
涼
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2022/02/post-3a8b0e.html これは第一部で、まだまだ続きがあるようです。カジノって、怖いですね。
2022/02/27
Y2K☮
近頃多い「実話を元に」的な煽りなど無用。元々彼のノンフィクションには創作の匂いが貴婦人の香水みたいに仄かに漂っていた。今作はそれが反転。明らかに小説。なのに実話としか思えない。それでいて創作ならでは面白さ。萩尾望都と近い意味でこの人は「文章の神」に愛されている。バカラの法則がもう少しで分かる、と主張して井上陽水に呆れられていたのは何の対談だったか。某製紙会社のトップと違うのは、他者のお金を巻き込まない点と負けを厭わぬ潔さ。お酒を綺麗に飲むという表現があるけど沢木さんは文章もギャンブルも生き方も綺麗なのだ。
2018/07/08
kawa
バリから日本に帰る中継地・マカオで、ふとしたきっかけからバカラの波に飲み込まれ、いつの間にか3カ月を超える滞在となった航平が主人公。バカラの魅力とカジノの周辺で生きる男女のミステリーが、博打ぎらい(のめり込むの恐ろしいせいもある)の私をカジノの深海に引きずり込む。(カジノ通いが趣味の亡き叔父からの戴き本、永年放置していたのだが…)
2021/08/16
マリリン
バカラ…新聞の記事にあったが、いきなりこの場面から始まる。博打には全く興味がないものの惹き込まれるように読んだ。ノースショアー・カメラマンというと何となく著者の作品「一瞬の夏」を思い出す。この作品も人間の心の闇を少しずつ明かしていくように物語が展開していく。航平の家庭、父の事、サーフィン、誰にも乗れないような大きな波に乗る…その波がバカラになったのは。掛け金をくすねた劉・日本語を話す娼婦季蘭、謎の人生を歩んできた人たちとの出逢い。バカラの出目表に書かれた文字は暗号のようだ。⇒
2019/08/11
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