波の音が消えるまで 第2部: 雷鳴編 (新潮文庫)
波の音が消えるまで 第2部: 雷鳴編 (新潮文庫) / 感想・レビュー
kawa
とある女性との逢瀬が、かの地の暗黒集団に睨まれる波乱。救いの神となった劉や李蘭の謎も、その事件とともに明らかに。サーフィンに、写真に、そしてバカラ 。~ 日本に、ハワイに、バリに、マカオに、そして日本。航平の心の軌跡も徐々に明らかに。ページをめくる手にも汗が…。
2021/08/17
Y2K☮
著者のノンフィクション「一瞬の夏」は途中で閑話休題的にアリの試合を現地まで観に行くエピソードが挟まれる。主題をペンディングして一息入れつつ、カシアス内藤の復活に対する期待と不安を間接的な形で仄めかしていた。この巻で描かれる様々な人間模様もその手法だろう。結果的に主人公・伊津航平がどういう人物か、なぜバカラに夢中になったのかがぼんやりと浮かび上がった。だがこれは創作だ。3部のどこかで必ず著者と航平を決定的に分ける局面が訪れる。作家はその分岐点で選ばなかったルートの結末を作品内で再現できるのだ。待ちきれない。
2018/07/17
マリリン
少しずつ明かされていくそれぞれの闇、闇を持つ事で人間としての奥深さが出てくるのだろうか。― もう日本に帰れなくなりますよ、ー バカラは地獄です。雷鳴編、読み進める程に裏社会の怖さを味わった。そして日本に帰国し再びカメラを手にした航平。モデルのユリアとの会話がさざ波のように公平の心の中を揺るがす。劉と季蘭が待つ、マカオに行く日はいつになるのだろうか。時空の波、どんな波がくるのか、どのように乗っていくのか。
2019/08/11
うぃっくす
バカラ必勝法のようなものはあり得ないと思っているんだけどそれがあるのではないかと思わせてズブズブになってしまう中毒性はどこからくるんだろうね。
2024/09/01
kokekko
すごい勢いで読んでしまう。ギャンブルには縁のない生活をおくってきたので「一発あてたい人がやるもの」というイメージが更新されることなくきてしまったが、この小説を読むと、そんな単純なものではないのだなと思わされる。勝つか負けるかは正直どうでもいい(でも欲は捨てられず、目が曇る)というさわやかさが、ギトギトしそうな題材の小説をさわやかに読ませてくれる。『波』の話がようやく出てきた。続きも読む。
2018/08/17
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