親鸞「四つの謎」を解く (新潮文庫)
親鸞「四つの謎」を解く (新潮文庫) / 感想・レビュー
大先生
【①貴族の長男であるにもかかわらず出家の謎、②比叡山のエリートであったにもかかわらず無位無官の法然門下に入門した謎、③結婚した謎、④悪の自覚の謎】という四つの謎に関する梅原氏の分析や考えが纏められている本です。ネタバレになりますが、【親鸞が源氏の血筋】というのがポイントでした。なかなかのボリュームですが、面白いので一気読みしてしまいます。【龍樹の大乗仏教が第一の仏教革命だとすると、親鸞の妻帯を認めた男女平等の仏教は第二の仏教革命である】というのは決して言い過ぎではないかもしれませんね。
2023/08/14
coldsurgeon
久しぶりの梅原史学。親鸞の4つの謎、「出家の謎」「法然門下に入門した謎」「結婚した謎」「悪の自覚の謎」をキーワードにして、その生涯に入り込む。独自の見解が、いつもどおり、興味深く、謎解きの趣がある。
2017/05/06
シスコ
親鸞の生涯の四つの謎についての梅原猛の論考。現地調査を実施して、その場に佇んで歴史の声を聴いて書かれたものと思う。資料の記述を基にした論理展開も説得力があった。
2017/08/30
Kayo Miyashita
私も親鸞に惹かれる者の一人です。作中で四つの謎とされた出家の理由とか、法然門下に入った理由、妻帯の理由、悪の自覚について、私は特に疑問に思ったこともなく、自然に受け入れていたように思います。改めて親鸞の生い立ちから時代背景を詳しく知り、謎は謎でなく、なるべくしてなったことがよく理解できます。煩悩を断絶せずに涅槃を得ることのできた類まれな親鸞という存在に、やはり惹かれてしまいます。
2017/08/15
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