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橋ものがたり (新潮文庫)

橋ものがたり (新潮文庫)

橋ものがたり (新潮文庫)

作家
藤沢周平
出版社
新潮社
発売日
1983-04-01
ISBN
9784101247052
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橋ものがたり (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ミカママ

橋は今日の、駅であり、波止場であり、空港なのだろう。出会い・別れがあり、捨てきれない過去も、希望の見える未来もある。女は借金のために身を売り、男はそんな女を想って身を焦がす。どれも美しい文章で満ちて、なんども読み返したい小品ばかり。藤沢さんの市井モノ、ここに極まれり。

2017/08/07

三代目 びあだいまおう

職場の読書仲間が「やっぱり藤沢周平は短編が面白いですよね」と、私は「いや僕は長編だなぁ」と。翌日デスクに藤沢作品が6冊置いてあった!挑んできた!なるほど例えば司馬遼は歴史の隠れた偉人にフォーカスするから長編大作になるが、藤沢作品は庶民の人情話を紡ぐ時、そりゃ短編にしかならない!『橋』をキープレイスにした10編、結論は私の負け!どれも優しく余韻を残し「いいことしたね!」「きっと相手も嬉しいよ」と登場人物の肩を叩き声をかけた。『橋』は時に出会いの場、時に違う世界へ誘う入口。ドラマも生まれるよね!お薦め‼️🙇

2019/03/05

しんごろ

橋を渡り行き交う間に、そこには常に自分の知らないドラマが始まっている。出会いがあり、別れがあり、そして橋は、ただ男と女の行く末を見守っている。切なさが溢れていて、常に雨が降っているか、霧が立ちこめてる、静寂の中での出会いと別れが繰り広げているイメージを勝手に強く感じました。優しさというよりは哀しさ、切なさがに溢れ、余韻にひたりながら、静かに本を閉じました。

2018/10/13

ヴェネツィア

藤沢周平が描く江戸町人の世界。本書では表題通りに「橋」をキー・コードに物語が拡がっていく。「橋」は、境界でもあり、また人と人とが出会う場でもある。そして、ここには藤沢文学に特有のせつなさと、しみじみとした暖かさがにじむ世界がある。

2012/03/27

ALATA

ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。この本を読んでこんな言葉を思い出した。 橋の上に、欄干から乗り出すように川面をのぞいている若い女がいる。おひさに拘わる吉兵衛の心根がわびしい「氷雨ふる」。「おすみさん、もっと早くあんたに会えていれば良かった」橋を渡る新七が微笑む「小ぬか雨」。五年の歳月を経て、辛くて長い別れの旅が終わったお蝶と幸助「約束」が好み★5※人はどこからきたのかじゃなくて、どこへ行くのかが大事だって、いつも思う。橋を渡って新たな一歩を踏み出すいい感じの読み物でした。

2023/02/11

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