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漆黒の霧の中で―彫師伊之助捕物覚え (新潮文庫)

漆黒の霧の中で―彫師伊之助捕物覚え (新潮文庫)

漆黒の霧の中で―彫師伊之助捕物覚え (新潮文庫)

作家
藤沢周平
出版社
新潮社
発売日
1986-09-29
ISBN
9784101247151
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漆黒の霧の中で―彫師伊之助捕物覚え (新潮文庫) / 感想・レビュー

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yoshida

彫師伊之助シリーズ第二弾。なかなか重厚な展開。石塚の依頼で殺された男の素性を洗う伊之助。とある商家と寺の繋がりが浮かぶ。そこで行われていた密事。藤沢周平さんの作品では珍しいハードボイルドの味わいがある。ラストの石塚の様子に藤沢周平さんの作品らしさを見る。重厚な雰囲気は好みが分かれると思う。命を狙われる伊之助。得体の知れない相手への緊迫感。迫真の描写に息を呑む。ここまで来ると伊之助も捕物から足を洗うことは難しいだろう。伊之助が潜入に向かう夜。その漆黒の夜の描写が、とても印象に残った。次巻も読まねば。佳作。

2021/11/06

じいじ

藤沢さんには珍しい捕物帳シリーズ第2弾、もっと早く読むべきだった、と今になって悔いています。主人公は、もう今更失うべき親も妻子もいない彫物師・伊之助。昔とった杵柄、頼まれると嫌と言えない岡っ引き稼業でひと肌脱ぐことに…。今作では、江戸の町に恐怖の殺人鬼が現れます。つぎつぎに三人もの死人が、同一手口による同一犯人か…? いつの世も悪事の陰に女あり? オトコとオンナの色恋の機微がほどよく散りばめられた藤沢さんの捕物帳、面白く読み終えました。

2022/01/23

タイ子

まず冒頭の文章に惹かれる。「若葉の梢は風が吹き過ぎるたびにいたずらを仕掛けられた小娘のように大げさにさわいで日の光をはじく」。そして、今回も版木彫り職人・伊之助が昔取った杵柄で殺人事件の真相に挑む。岡っ引きを辞めても昔の凄腕を知る同心から頼まれると好奇心も多分にあり断れない。ただ、仕事場の親方をこんなに怒らせていいのかとこっちが心配してしまうわ。遅刻はするわ、早退はするわ、理由を告げない勝手な行動は普通ならクビだと思うけど。根は善良なんだな、親方って。第2弾も謎深き事件にどっぷり浸らせていただきました。

2022/02/07

さつき

前作は失踪した女を探すお話しでしたが、今回探るのは死体の身元、その来し方。対象の男がもう亡くなっている分、前よりもいっそうハードボイルド感がありました。一癖ありそうな人物への聞き込みや暗闇での死闘に手に汗握りました。次作も楽しみです。

2020/01/25

Makoto Yamamoto

出版順通りには読んでいないので、これか3巻目で全巻読んだことになる。 なぜ伊之助が彫師の仕事をしながら捕物を手伝わなければいけないのかが良くわからない。 十手をもっていたほうが話が分かりやすいのではと勝手に思っている。 今回は大きくない川に死体が上がり、殺人だと判断。 大店、寺、大奥まで登場する展開は良かったが、「消えた女」のほうがより良かったように思う。 このシリーズは多分再読するだろう。

2020/12/27

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