あるキング: 完全版 (新潮文庫)
あるキング: 完全版 (新潮文庫) / 感想・レビュー
starbro
野球大好きなので「あるキング」は伊坂幸太郎のBEST5に入る作品です。今まで単行本バージョンしか読んでいませんでしたので、雑誌、文庫本の各バージョンは初読です。其々面白いですが、最初に読んだこともあり、単行本バージョンが一押しです。個人的には、単行本:純文学、雑誌:エンタメ、文庫本:戯曲と位置づけたいと思います。伊坂幸太郎には、王求JrがMLBで大活躍する「あるキング」第二部を書いて欲しいなぁ!
2015/05/28
納間田 圭
作者のスポコン野球物…やはり彼独特のひねり+こだわりが。雑誌掲載版、文庫本版、単行本版として3種類を変化球のように並べた完全版。野球で王的存在になることが運命付けられ、野球漬けの少年”山田王求”。その性格は…真面目で冷静沈着。彼は…相手ピッチャーの手からボールが放れる前にストライクかボールか分かる。相手監督を買収して…敬遠ではなく勝負をお願いする母親。息子の身体を守るために…殺人まで犯す父親。9回の裏ツーアウトで…王求の前に打席に立つ3番打者のプレッシャー。天才怪物少年の周りに集まる…有象無象の大人達。
2021/08/15
kishikan
何はともあれ、雑誌、単行本、文庫本版の「あるキング」を全て収録するという企画をしてくれた新潮社さんに感謝!そして伊坂ファンなら「必ず手にすべき!」と僕は言いたい。よく文庫化に際し「加筆修正とか、改稿しました」とか書いてあるけど、丁寧に比較して読むことなどないので、伊坂さんの場合こんなに違う書き方だったの?って「びっくりポンや」。個人的には、マグベスの名言や格言が盛りだくさんの文庫版が一番好きだけど、3人の魔女が強烈な印象を与える単行本版も好きだな。・・・・と、再びガガーリンが言っていた。
2015/12/09
ハミング♪♪@LIVE ON LIVE
いやぁ~、ようやく雑誌版を読めて、しかも単行本版と文庫本版とも読み比べできて、良かった。内容や語り口が少しずつ異なっていることによって、受ける印象や雰囲気がガラリと変わるのがおもしろい。微妙な違いを楽しむのにはいささか忍耐がいるけれど、伊坂さんのインタビューを励みに読破。私は、『あるキング』のような小説もおもしろいと思うし、どのヴァージョンもそれぞれ好きで楽しめた。最近よく思うことだが、「何が正しいかなんて、誰にも分からない」。誰かにとって正しいことでも、他の誰かにとってはそうじゃないことがままあるのだ。
2016/07/15
katsubek
三つ合わせるととんでもなく長いのだが、いやぁ、面白かった。味わいが変わるねぇ。最後の方で出てくる「私」の存在も秀逸。だから、「おまえ」なのだ。重松清の作品にも、同じような趣向があったなぁ。うん、おもしろい。
2015/07/09
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