ジャイロスコープ (新潮文庫)
ジャイロスコープ (新潮文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
伊坂幸太郎の作家デビュー15周年を記念する短篇集。6つの短篇を収録。いずれも筆致はいたってのびやかだ。緊張したり構えたりすることなく、遊び心いっぱいに作品世界を展開している。さすがに15年もやってきた余裕と言うべきか。最後に置かれた「後ろの声がうるさい」は、いわば本書の総集編だが、先行する4作はそれぞれいずれも違った趣きを持っている。伊坂ファンなら各自に自分はこれがいいというタッチのものが見つかるかもしれない。私は、しいて言えばSF風味の「ギア」を採る。他の読者の支持は少なそうだが。
2017/11/22
紅はこべ
バラバラの話だったのが、ラストの一編で繋がる形式。前半は後味良くない話が多く、後半はほのぼの系が多い。ほのぼの系の「一人では無理がある」「彗星さんたち」が良かったかな。
2016/05/03
にいにい
伊坂さん近年作を集めた短編7篇。テーマ指定された作品もあり、いろいろ異なる味わいが楽しめる。でも、共通の伊坂ワールドが短編には特に顕著。物語の断片、会話、見え隠れする怖さ、深い不思議な余韻が残る。最後のインタビュー部分で伊坂さんの長編への取組み方、傾向が示されているのも嬉しかった。「一人では無理がある」の松田さんいい!「彗星さんたち」の新幹線の清掃員さんの温かさは、シリーズ化してほしい。「if」も現実と隣り合わせの不思議な巡り合わせが素敵だ。「15年間がんばりましたね」でも休養はお預けで。
2015/09/29
kishikan
書下ろし1作品を含む5編の短編集。早とちりしてしまい、書下ろし短編集だと思って読んでいたら、どこかで読んだことがある。そりゃそうでしょう、アンソロジー短編集や文芸誌で既に発表されたものに、書下ろし「後ろの声がうるさい」を加えたものなんですから。でも、さすが小説家デビュー15年記念!すべてが面白い。というのも、全て異なる企画で書いているはずなのに、どこかでつながっている、あるいはかすっているんです。それでいて、作品のアイディアは違うんです。伊坂さんの特色が詰まった7色(虹ですな)の世界。お買い得です。
2015/07/18
勇波
伊坂短編初体験です。SFっぽいのが多く、想定外な面白さでした。。お気に入りは「サンタクロース」のお話でしょうか。その他も粒揃い良作揃いの〝鉄板″ネタです★
2016/04/01
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