アナーキー・イン・ザ・JP (新潮文庫 な 83-1)
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アナーキー・イン・ザ・JP (新潮文庫 な 83-1) / 感想・レビュー
立花孝志大嫌いおじさん・寺
あの中森明夫による「小説・大杉栄入門」といった感じの物語。古さを感じる部分もあり、違和感も感じながら読むのがやめられなかった。それは間違いなく面白いという事だ。若い頃雑誌が好きだった私は、SPAの『中森文化新聞』『ニュースな女たち』や『噂の眞相』の連載を楽しみに読んでいた。『噂の眞相』で竹中労を知り、竹中の著作で大杉栄を知った。大杉の言葉や人生には心を躍動させられた。ますます戦前に似てきた昨今、若者に必要なロールモデルはもう坂本龍馬ではなく大杉栄なのだ。中森明夫から若者への素敵なプレゼント。
2015/09/29
陽
主人公の真二に100年前に亡くなったアナーキスト大杉栄の霊が体に入って、杉本の人生を観たり、要所で真二に大杉が現れたり面白いが、アナーキストの歴史とか、無政治主義とかテロリストとか、あまり興味のないことが出てくるので読み辛かった。でも、ミュージシャンのシド・ビシャスだけが話題になっているのも納得できなかった。シドなんてただのクズじゃん。
2018/10/18
ヨコツ
うーん、このおじさんが頑張って若者を書こうとしている感じは、重松清や川島誠なんかと似ている気がする。しかしまあそんな滑稽な試みなんてどうでも良くなるくらいとことん大杉栄!これでもかと登場するアナーキスト!アナキズムの入門書としてこんなにわかりやすくて興味を引く小説もなかなか無いんじゃないだろうか。僕の好きなダダイスト辻潤も登場したりして、たぶんアナキズムに明るい人ならもっと楽しめたんじゃないだろうか。物語としては物足りないけれど、大杉栄のライトな入り口としては大いに楽しめた。
2013/09/27
みや
パンク少年の肉体を借りて大杉栄の魂が蘇る!そして不思議ちゃんアイドルの脳に憑依した伊藤野枝との再会!舞台は激動の昭和を経て腑抜けにされた、21世紀初頭の日本。混迷を極めるゼロ年代に現れた大正期の闘士たちの、さもありなんと思わせる言動の痛快さ!活動家たちの革命への渇望とパンクロッカーの衝動が、センチメンタリズムという軸でシンクロする。精神を愛し、行為に重きをおくアナーキストに郷愁を覚えるのは、活力溢れる若さへの懐古のせいもあろう。巻末に記載された膨大な参考文献からもうかがえるが、かなりの力作だ。
2020/12/19
ゆうか
ラノベっぽいです。ただ、アナーキーとは、大杉栄とは、伊藤野枝とは、など学べる内容はたくさんあります。アナーキーって無政府主義っていうけれども、いったいそれはどういうこと?とずっと思っていたので、少しすっきりしました。 中森さん、アイドル関連の書籍の方がやっぱりおもしろいかなぁ・・・・・・。
2014/05/27
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