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冬虫夏草 (新潮文庫)

冬虫夏草 (新潮文庫)

冬虫夏草 (新潮文庫)

作家
梨木香歩
出版社
新潮社
発売日
2017-05-27
ISBN
9784101253435
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冬虫夏草 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

読友さんのお薦めで秋に取っておいた本書。「家守綺譚」の主人公が忠犬ゴローを探し山中を巡る旅路は、前作同様自然の美しさが溢れ泣きたくなる。けぶる荘厳な山々に立ち上る竈の煙。人里離れた滝の水のぞっとするような清廉さ。そんな自然に対する畏敬の念をもち山々の間に密やかに暮らす人々のあたたかさ。 人に対しても草花に対しても、人ならざるものに対してすら平等に同情的な綿貫の視点にも背筋を正される。願わくばこうありたい。 読みたい本も積み上がっているけれど、できれば読み終わりたくなくてちびちびと読んでしまった。続編切望♡

2018/11/07

エドワード

綿貫征四郎の物語再び。今回は行方の知れぬゴローを探し、近江の国から鈴鹿の山中へ旅立つ。道中で耳にするイワナ夫婦の宿とは何だろう。河童、天狗、赤竜、カワセガキ、前作に続く、大きく、小さく存在する自然の姿、水墨画のごとく、漢詩のごとく描かれる動物植物の比類なき美しさ。モリアオガエルが今の季節にふさわしく神秘的だ。人間は自然の傍にあり、人間も含めて、生き物は与えられた条件の中で自分の生を実現せねばならない。冬虫夏草は自然の象徴、夏と冬で生きる形が違うのは当然なのだ。格調の高い文章には実に惚れ惚れいたします。

2017/06/08

Kajitt22

鈴鹿山麓のかくれ里のような美しい村々。これはいずれ湖底に沈んでしまう、いや今は沈んでしまった美しい村へのレクイエムだろうか。地図を見ると、現在の愛知川をたどる八風街道の永源寺あたりか、時空を超えてそのあたりの幽玄な山道をさまよっているように感じた。そしてなんと地図上には「イワナの宿」があるではないか。白洲正子の『かくれ里』に『木地師の村』の一文があるようだ。再読してみよう。梨木果歩さん to be continuedです。

2018/03/19

SJW

以前、中国で買った冬虫夏草。冒頭でどのような物かの説明があり、もうとても飲めない。これが本題ではなく、その後に39もの植物の名前の章立てがされていて、「家守綺譚」の主人公 綿貫が忠犬ゴローを探しに鈴鹿の山中を旅する話。読んでいると登山前に山の麓を歩いているような錯覚に陥り、登山がしたくなってくる。河童や天狗、イワナの夫婦など人と妖怪(聖霊かな?)とが共存するという不思議なファンタジー。

2019/04/17

まさ

家守綺譚の続き。自然がとても身近に、というより、自然界に浸れるお話。不思議な世界なのだけど、こういうふうに見えていてもいいなぁと思います。綿貫さんと共に旅したい。 解説でも書かれていたけど、ページが少なくなってくると、まだ終わりたくないという気持ちになりました。

2017/07/15

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