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村田エフェンディ滞土録 (新潮文庫 な 37-15)

村田エフェンディ滞土録 (新潮文庫 な 37-15)

村田エフェンディ滞土録 (新潮文庫 な 37-15)

作家
梨木香歩
出版社
新潮社
発売日
2023-01-30
ISBN
9784101253459
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村田エフェンディ滞土録 (新潮文庫 な 37-15) / 感想・レビュー

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アキ

土耳古のスタンブールで下宿人エフェンデイたちの交流の物語。英国人のディクソン夫人、獨逸人のオットー、希臘人ディミィトリス、土耳古人ムハンマド、そして日本から来た村田。それぞれ信じる神が異なり、その神とは人とは違った形のありようにすぎないのだ。ディミィトリスが言ったセネカの言葉「私は人間である。およそ人間に関わることで私に無縁なことは一つもない」を村田は帰国しても忘れることはない。デイスケ・ガウデーレ「楽しむことを学べ」土耳古で知った友人からのメッセージを、ケマル・パシャの成し遂げた革命を知り、思い起こす。

2024/10/25

優希

イスタンブールに留学している村田。ドイツ人、ギリシャ人、イギリス人とシェアハウスをしています。人や人でないものと豊かに出逢いながら異文化に触れることで己の見聞を深めているのだと思いました。やがて国同士が争い、仲間たちは死んでいきます。どんな想いで友人たちの死を見つめたいたのでしょう。やがて帰国した村田にとってイスタンブールの生活は2度と手に入らない友情と思い出だったのでしょう。

2024/08/22

はっせー

不思議な匂いがする小説であった!時代は19世紀。場所はトルコ。留学生として行く事になった村田を主人公にした物語。懐かしいようでどこか遠くの異国の情緒を感じされる話!町の体臭の話が印象に残った!梨木香歩さんのこのシリーズはどこか共通して不思議な世界へ誘ってくれる。また読みたいシリーズであった!

2024/11/10

niisun

読メで、梨木さんの『ピスタチオ』の感想にコメントを頂いた中で、オススメして貰った作品。梨木さんの本はいろいろ読んできましたが、タイトルからして、恐らく自分では選ばない作品ですが、とても面白かったです。第一次世界対戦前夜のトルコ(土耳古)に、書生上がりの日本人青年が考古学の研究員として滞在し、そこで、様々な国から集まった様々な思想信条や立場の人達との交流が描かれています。東西のクロスポイントである彼の地での日常的異文化交流が、繊細に描かれており、非常に興味深い作品です。梨木作品の中で一番好きかもしれません。

2023/12/12

よっち

19世紀末トルコ、スタンブール。不思議な下宿。魅惑の異文化。かけがえのない友人たちと留学生・村田がトルコで過ごした青春の日々を描くメモワール。ドイツ人オットー、ギリシア人ディミィトリスと共に英国婦人が営む下宿に住まう留学生の村田。東ローマ帝国への追懐、オスマン帝国復活への願い、戦争から必死に遺跡を守ろうとする思いなど、異文化や異なる地で育ってきた人々との宗教観や考えの違いに戸惑いながら、積み重ねてゆくその交流はかけがえのないもので、だからこそ日本に帰国してからのギャップに悩める日々にやるせなくなりました。

2023/02/22

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