中野トリップスター (新潮文庫 し 77-1)
中野トリップスター (新潮文庫 し 77-1) / 感想・レビュー
mr.lupin
「中野トリップスター」って何?と思って読んだら、旅行代理店だった。ただそこは普通の旅行代理店じゃなく、ヤクザがオーナーを務めていて、裏の顔は韓国スリ団の後方支援を行っていた。そのオーナーの山根や、アフロ頭の弟分の誠、通訳担当の美女の中村、と個性的なキャラが揃っていたけど、今一つ誰にも魅力を感じなかった。人情あり、笑いあり、涙あり… これも感じとれなかったかな。⭐⭐★★★
2022/07/10
再び読書
「8月のマルクス」とアポやんシリーズの中間に位置する作品に感じる。カバーやところどころに散りばめられたユーモアと、ヤクザのフロント企業である旅行会社の運営をまかされる山根に試練が降りかかる。優しい疫病神シリーズの桑原のような行き過ぎないスタイルを貫く。中村の復讐劇も大きな収穫はなく、池井戸作品のようなカタルシスは得られない。最後の春田もこ憎たらしい。ハッピーエンドというか尻切れトンボというか、実験的なアプローチかもしれない。
2020/11/14
ジュール リブレ
『あぽやん』の新野剛史さんの、やはり旅行代理店もの、だけれど、趣きが違って、ヤクザの隠れ蓑のような会社の話。浅田次郎氏の初期の代表作『プリズンホテル』シリーズを思わせるストーリー。もう少しユーモアがある方が好きだけど、ペーソスあふれる一冊でした。もうすぐ発売の『あぽやん3』が楽しみ^o^
2014/04/20
文庫本依存Hiro
『中野トリップスター/新野剛志』読了。薄利多売な旅行業×昔ながらの任侠道の組み合わせで物語が進む、いわゆるお仕事モノ的連作短編集。韓国からくるスリ団体のおもてなしを主要なビジネスとしながら、そこに絡むのは雑多で人間的なキャラクターの魅力と強引ながらもミステリ仕立てのストーリー。ちょっとしたひとことにほろっとさせられる、脱力系のハードボイルドテイストなヒューマンドラマ。
2016/06/28
鈴木正大
タイトルは旅行代理店の名前。ところがホントはヤクザの企業舎弟。店を任された武闘派極道の山根。実は、女、子供に優しい人情派だった。荒唐無稽なストーリーだが笑いあり涙ありの楽しいB級エンターテイメント。
2014/03/03
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