みなそこ (新潮文庫)
みなそこ (新潮文庫) / 感想・レビュー
カブ
四国高知県、四万十川の風景が方言、それもひらがなで著されています。意識的なのだと思うけどちょっと抵抗を感じ、物語に浸ることができない。
2017/08/09
ぱぴこ*2
偶然、台風の日に手に取ったこの本。そして、夏が終わったような少し肌寒い今日、読み終えた。まるでなにかに導かれたように。夏休みの帰郷中、幼馴染みの息子の「りょう」と「さわさん」の危うい関係を描いたひとなつの物語。ひらがなが多用された文章が妖しさと危うさを掻き立てる。死者を迎えるお盆の行事や台風の日の描写に首筋がぞわりとする。怖かった。もはやホラー。嫌いじゃないけれど。【積み本:38】
2018/09/12
との@恥をかいて気分すっきり。
高知、四万十川を深く分けいった部落に帰郷したさわの物語。村と自分を取り巻く人たちの歴史、自然と子どもたちとピアノ、そして恋愛と・・・繰り返され、連綿と紡がれる。小さな村の中に息づく歌、昔ばなし、お化けの話し。朝鮮から連れて来られて亡くなっていった人の歴史。失くしたものに気づいた時に、得られたものに気がつくこともある。私の父が愛媛県の山奥がふるさとで、あとひと山超えれば高知という村でした。もう帰ることもないであろう村の懐かしい情景が蘇りました。
2017/05/28
香乃
★★★★☆ 中脇さん、初読みです。江國さんの雰囲気もあったり、梨木さんの雰囲気もあったり。13歳のりょうとの危うい関係がメインかと思いきや、それはあくまでも物語の一部に過ぎない。大人になりきれていなかった主人公の心の葛藤が描かれていた。
2017/08/01
せ~や
淡々とした進み方で、「あたし」の幾重もの想いが交錯していく。受け入れたくなかった事、嫌だった事を、考えながら「あたし」は知っていく。生きている、そこにいるというのは、誰かの記憶にあるという事なのかもしんない。誰にも覚えてもらえなくなって初めて、人は死んじゃう。亡くなっても、だれかが覚えているなら、その人はしっかりと生きていると思うような一冊。
2017/09/18
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