日本の身体 (新潮文庫)
日本の身体 (新潮文庫) / 感想・レビュー
扉のこちら側
2017年20冊め。能楽師、文楽人形遣い、雅楽演奏家等、12人の素晴らしい「身体」を持つ人との対談集。読メユーザーにとって馴染む深いのは漫画家の井上雅彦氏だろうか。私が最近関心ある分野に一番近かったのはマタギの工藤光治氏の話。後は能楽師の安田登氏の話で漱石が出てきて、『「夢十夜」などは完全に複式夢幻能の構造』との話があって能に興味が湧いてきた。
2017/01/09
佐島楓
茶道家、能楽師、尺八奏者など、身体を使う12人の方々と内田先生との対談集。会話内容のレベルが高すぎて、感覚的に理解できるお話がごくごく少なかったのだけれど、わたしを含めた現代の日本人は身体を破壊するような運用の仕方をしているのかなと思った。
2016/12/01
高橋 橘苑
何気なく暇な時にパラパラ読んでいたら、終盤あたりからあまりに面白くて、最初からキチンと読み直した一冊。12人のその道のプロとの対談集で、日本独自の身体の動かし方を考える内容である。密かな読み方としては、身体運用から考える日本人論であるともいえるのではないか。「少し長すぎるあとがき」と「文庫版のためのあとがき」も濃密で、「大地の霊との交感」の一語が、日本の身体の要約であると結論している。「身体が硬い人は精神も硬い」らしいので、それにあてはまりやすい、視覚優位の中高年男性に成らない様に注意せねば。
2019/03/31
うごうご
意識して動かすのではなく自然と身体が動くようになる。身体が動くに任せて動く。そんな境地に至りたい。
2017/05/01
ねこさん
弓道をお休みしつつ、足裏の使い方と全身との連動性について試行錯誤している中、腑に落ちるところがいくつかあった。これを読んで武道なり日本的な身体運用に関する何らかを始めてみようという人はいるだろうが、実際武道の世界は方便的に具体的な身体の使い方をテクスト化し、共有のために導入した当時と違ってしまっていて、礼法にはじまる体配の決められた方法をいかに遵守できているかの相互監視と、その実現の度合いや成功の確度で習熟度を判定することが横行している。全てとは言わないが、この辺りにも触れるべきではないかと感じた。
2017/04/04
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