神の棘Ⅰ (新潮文庫)
神の棘Ⅰ (新潮文庫) / 感想・レビュー
あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...
ヒトラーによる独裁政権下のドイツ。それぞれの道を歩むこととなった二人の青年にも、容赦なく運命の魔の手は忍び寄る。どこまで非人道的で残酷な行為が赦されるのか。覚悟を決めて第Ⅱ巻へ!
2017/10/09
たいぱぱ
1935年からのドイツが舞台なら重苦しくないわけがない。主人公のナチスSD所属のアルベルトに対しシンパシーZEROなんだけど、須賀さん読ませてくれます。ナチスドイツの成り立ちやどう巨大化していき破滅に向かっていくのか全然知らないことに気付く。カトリック協会や共産主義とナチスとの関係など歴史の勉強になることばかりだ。「神なんかに人は救えない。人を救えるのは人だけよ!」ユダヤ人少女の叫びは真っ当だ。ナチスドイツに対するバチカンの反応には反吐が出る。片やナチス、片や修道士。ふたりの幼馴染の行く着く先はどこに?
2021/02/10
Rin
時代は1936年のドイツ。ドイツに生まれ育ち、ドイツ語しか話すことのできない人でさえ、純血か否かで相応しくないと切り捨てられる。それは障がい者も同じで、楽にしてあげるという言葉の免罪符のもと、本人や家族の意思は無視され切り捨てられてしまう。ナチスに心酔しヒトラーを崇める人々の姿には、洗脳という言葉が頭をよぎるほどに不気味さや恐ろしさを感じる。その不穏な空気はドイツ国内から国外へと広がって。宗教や信仰、裏切りや策略に国民とは?体内を流れる血はそんなに重要なのか?と歴史を通じて重く問われている気がします。
2016/03/21
青蓮
第二次世界対戦前後の時代を舞台としたドイツで巻き起こる愛憎劇。ナチスってカソリックまで弾圧してたなんて‼戦況が悪化していくにつれてマティアスとアルベルトが時代の闇の渦にどんどん巻き込まれてゆく…後編へ
2018/05/06
ケイトKATE
『神の棘』は、マティアス・シェルノとアルベルト・ラーセンの二人の主人公を軸に、ヒトラー時代のドイツと第二次世界大戦が描かれている。本書は、神への信仰によって人は救われるのかという主題を主人公の一人、マティアス・シェルノの人生を通して書かれている。正直に言うと、私は信仰心が薄く宗教に対して苦手なところがあり、マティアスの生き方を完全に理解した自信はない。私がマティアスに対して理解したのは、彼に起きた苦難の数々は、非常に過酷なものであり何度も彼を絶望へと追い詰めた。
2018/11/23
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