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奇跡の人 (新潮文庫)

奇跡の人 (新潮文庫)

奇跡の人 (新潮文庫)

作家
真保裕一
出版社
新潮社
発売日
2000-02-01
ISBN
9784101270227
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奇跡の人 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ちはや@灯れ松明の火

どうしてぼくはここにいるのだろう。八年前の事故、彷徨った生死の境、奪い取られた記憶、今こうしていることが奇跡だと人は言う。ぼくは誰だろう。退院と新しい生活、ノートに遺された母の祈り、記録から拭い去られた痕跡、もうひとりのぼくはどこで何をしていたのだろう。衝動が突き動かす、嘘を重ね、誰かを傷つけても。過去が追いかけてくる、追いかける、現在を裏切ることになっても。君は、今、どこにいるんだろう。知ったとしてももう取り戻せないのに、知ってしまえばもう引き返せないのに。せめて、ただ、届けたい。ぼくはここにいると。

2015/08/21

Tsuyoshi

交通事故での植物状態から8年の歳月を経て奇跡の回復を果たした相馬克己。亡くなった母親の看護日記と交互に克己の回復を描く温かい展開かと思いきや、自分探しの旅に出た事で事故前の衝撃の過去と対峙してしまい、事故前の元来の気質や暴力性が浮かび上がる展開に。本人にとってはどうしても知りたかった自身の過去だけにこの結末は切ないとはいえ仕方ないのかもしれないが、個人的にはもっと温かい展開で描いて欲しかったかな。

2018/05/03

ポルトン

事故で脳死寸前からの復活を果たし、奇跡の人と呼ばれた相馬克巳。 8年の入院生活を経て社会復帰したものの一切の記憶を失っていた。 かつての相馬克巳の人生を探す過程で明らかになる本当の自分の姿…。ラストはなんだかなぁ〜な展開。 しかし…相馬克巳の人生って一体…w

2018/09/11

たか

ヘレン・ケラーでも原田マハでもなく、真保祐一の『奇跡の人』 相馬は8年前に大事故に遭い、脳死状態から奇跡的に回復をみせ、病院内では『奇跡の人』と呼ばれていた。 リハビリ生活を終え、社会復帰を果たす相馬だが、彼には事故以前の記憶が全くなくなっていた。 全ての過去の記憶がない相馬は、やがて自分の過去を知りたくなり、古い知り合いを訪ねる。 そこには、知りたくない、認めたくない過去があった…。 前半と後半の印象がまるで異なる作品。ラストは意外性があるが、やるせなさが残る。C評価

2020/06/07

TAKA

所詮人間の人格はそうそうと変わるもんではないと。八年間ぼくの陰に閉じ込められていただけで相馬克己はなにもかわってなかった。聡子はなぜもっとはやく本当のこと告げなかったんだろう。奇跡なんて起こらない方がよかったかもしれない。

2018/04/18

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