リライブ (新潮文庫 し 66-3)
リライブ (新潮文庫 し 66-3) / 感想・レビュー
優愛
死にゆく人達の<思い出>を食すと引き換えに新たな人生を与えるバク。望めば全てが変わると思える、願えば世界は良くなると。でもそれは願いも、後悔も、報われない想いも全部命の灯と共に君が掬い上げてくれるから。繊細で、愛に溢れた願いを口にする彼らは最期まで他者愛を胸に抱いたまま叶った瞬間に良かったと漏らす。人間は思うよりもずっと強くて優しくて素晴らしい生き物。もしも戻れるのなら私はどの瞬間に立ち会うことを望むでしょう。それは幸せな瞬間なのでしょうか。そんな私の願いでも受け止めてくれる君がいると信じて前へ進みたい。
2014/12/24
たるき( ´ ▽ ` )ノ
死が訪れる直前に、もう一度やり直したいと思う場面から人生を生きなおすチャンスをくれるバク。私だったら、きっと『今』に戻ってくるんだろうな。そう思うから、余計に強い思い入れをもって読むことができた。何が自分にとって幸せか、何が相手にとっての幸せか・・・色々考えさせられた。読んで良かったな☆
2014/06/23
有
人間は本当に都合の良い生き物だ。そのままを受け取ることがなかなか出来ない。虫の声も空の色も、置かれた状況次第で変わっていく。だからこそ後悔したり、涙を流したり、幸せだと感じたりするのだろう。死に逝く時、思い出の代わりに、後悔した時を取り戻す連作短編。望めば全てが変わると思えないか。願えばこの世界はもっと良くなると思わないか。小路さんの優しさは、時に綺麗事に聞こえるかもしれない。でも時には、何物にもかえがたい癒しと勇気をくれる。現実の辛さを抱えそれでも生きる今日、この優しさを、受け取ることを許してくれる。
2013/07/01
七色一味
読破。もしもあの時、あちらの方を選んでいたら──。人生なんて、それこそ無数の選択肢からどれかを選んで進む、戻ることのできない迷路のようなもの。その最後で、たったひとつ選んでやり直せるとしたらどうする? そんな、ファンタジーな設定の短編集です。終わりの二篇は、胸にぐっと迫ってきて、泣けてしまった。
2013/02/16
ひめか*
人の人生はさまざま。人生は選択の連続。そこで自分がどのような行動を選ぶのか、どの道を選ぶのか。それによってその後の人生が決まる。私も今まで20年生きてきた中で、多くの選択をしてきた。もしあの時こっちを選ばなかったら、今の私はないかもしれないと思うこともある。これから先もたくさん選択をして生きていかなければならないのだと思う。でもその時その時で最良の選択をし自己決定して行動したいと思っている。人生はやり直せない、その人にとって1回きりの大切なものだから。「すばらしきせかい」が好み。優しくてほっこりするお話。
2015/07/12
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