きれいな色とことば (新潮文庫)
きれいな色とことば (新潮文庫) / 感想・レビュー
やすらぎ
なんて綺麗な色の本。心が透き通る言葉。「水のようなひと」がお気に入り✨…私だけの色、あなただけの色がある。昨日と今日の私は違う色。思い出や悲しみ、前向きになれる色。心の色が自分でも知らないうちに混ざりあって、新しい色が生まれていく。…目の前にいる鳥たちは、あっという間にいなくなってしまうけれど、悲しみの感じ方は人それぞれ違うから。…ふわりと風に吹かれて陽の光を浴びて、たまには心のことなんか忘れていたい。…夏色と仲良くしていたけれど、もうすぐ秋色に染まる。毎日が色鮮やかな世界であってほしい。そこに私はいる。
2021/09/25
おくちゃん🍎柳緑花紅
何だろう、この心地良さ。この温もり。ゆったりと緩やかに流れる時間のなかで、今日の失敗で真っ青だった心がどんどん薄まって水色になっていった。部屋は象牙色. 冬の雪の日の昼下がり・・そんな色。あとがきに「色のひかりは、やすみなくふってくる。みつけた人に、見えるように」とある。みつけられる人になりたい。おーなり由子さん、初読み。
2015/02/02
シャトル
身の廻りにある、例えば野菜、食器、小動物、空・・著者が目にして感じた「色」にまつわる数々のエピソード。とびきり綺麗で優しい言葉でつづられており、お気に入りさん曰く「癒しのおーなり」とのコメントに偽りなし!「紅茶教室」「魔法のやりかた」「日曜日の地図」「ウールのにおい」このあたりはググッときますね。もちろん、おーなり由子、初読み!
2015/07/20
ちえ
二か月位かけてゆっくり読んだ。おーなりさんのことばと絵に自分自身の過去の様々なことを思い出した。楽しいことや嬉しいことだけではなくて辛さや悲しみも…、心がいっぱいになって時々休みながら。豆を煮たくなった、昔同じアパートに住んでいた人たちの顔を思い出した、アスファルトに描かれた紫の四角が雨をはじいているところを思った。「一瞬の色の奇跡!」のページ、実家に帰るとき駅で降りて右側に見える夕方の海を思い出した。今の私に繋がる沢山のその時その時…帰りたいなあ、という気持ちと、今の私でよかった、という気持ち。
2022/03/31
エンリケ
この世界は色で満ちている。当たり前の事だがそれに無関心な日常。心の中にも色がある。それはきっと人により大いに異なる。おーなりさんの心はとても優しく柔らかな色。きっと薄桃色をふんわりとさせた色なのだろう。作者の思い出を様々な色で表現した一冊。読んでいると癒しとも違う、何か胸騒ぎにも似た安らぎに満たされる。幼少期の鮮やかな思い出。最近年をとると、何故かそんな昔の事が甦る。そうか、だから胸がざわつくのだ。作中出てきた色の見本帳、僕も買ったなぁ。作者の様に周囲の色に思いを馳せれば、人生は日々新鮮に違いない。
2017/11/02
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