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ぶっぽうそうの夜 (新潮文庫 ま 19-3)

ぶっぽうそうの夜 (新潮文庫 ま 19-3)

ぶっぽうそうの夜 (新潮文庫 ま 19-3)

作家
丸山健二
出版社
新潮社
発売日
2000-10-01
ISBN
9784101283234
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ぶっぽうそうの夜 (新潮文庫 ま 19-3) / 感想・レビュー

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GaGa

再読。得体のしれない風習に立ち向かう主人公の方が実はトリッキーに描かれていることが再読するとよくわかる。結局は、シャーマンな風習にとらわれた閉鎖的世界に一人の異物が紛れ込んだらどうなるかということか。名作で言うと夏目漱石「坊ちゃん」の変化球系。でも本当に一気読みできる傑作!

2013/01/12

yamakujira

故郷を蔑んで上京した男が定年間際に病魔に侵され、死に場所を求めて帰郷するも、実家で消息不明だった弟の首吊り死体を見つけ、さらに妹を殺した犯人を確信して追いつめる。紹介文からは、仇敵への復讐に命を賭けるハードボイルドを期待したのに、まぁ行動はハードボイルドと言ってもいいのだけれど、男の独白で進む物語の展開がじれったくて、退屈になってしまう。加えて大仰な言葉遣いにうんざりするし、なにより男にも不気味な狂気を感じて、気分が悪くなる。期待した餓鬼岳の描写も、この餓鬼岳は架空の山でがっかりだった。 (★★☆☆☆)

2018/08/30

tora

正直なところ、よさが分からない一品。 陰鬱な一人称で、悲惨な過去をもつ一人の男が狂ってゆく様が描かれていますが、さっぱり共感も納得もできませんでした。

2014/04/09

ウミノアメ

55歳で商社を早期退職した男の支離滅裂な独白。 中盤までは、故郷、いずれも不幸な死を迎えた家族への恨み辛みを延々と語る意味がわからず、読み進むのも苦しい。 中盤からは、思考が反転して、家族の為にと敵討ちを始める。思考に一貫性がなく、独白の内容は常識では理解できない。精神異常者の思考回路なのかと思うと、少し納得できる。

2020/08/16

Suu.

過去、家族を不幸な形で亡くした定年退職者の男が病を機に故郷へ帰り、人生を振り返って葛藤していく様子が描かれているのだが、嫌気が差す程そればかりが作品の大部分を占めていて激しく疲弊した。隠れていた狂気を匂わすには充分過ぎて、まさに風村の山々を汗だくになりながら登っていくが如く終わりが見えない。それでも主人公や、その家族達の心情にリンクしていく自分がいて不可思議さが辺りを取り巻いていく。結末には不快感と眩暈で頭がおかしくなりそうになったし、再読は御免だとも思うのに、丸山氏の他の作品を欲する自分に背筋が凍った。

2013/06/10

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