黙示録殺人事件 (新潮文庫)
黙示録殺人事件 (新潮文庫) / 感想・レビュー
オーウェン
冒頭から珍しく亀井警部が登場する十津川警部もの。 その亀井警部のオフの日に街中で自殺が起こり、そこには蝶の大群が。 ここから始まる連続予告自殺の事件。 誰がどこでという展開に十津川は悩まされるが、次第に狂信的な信者の集まりが分かり始める。 そっちの方向に行くのかと驚くが、犯人が逮捕されても信者を元に戻さなければ意味がない。 そういう人間的な十津川警部らしい推理と説得が見られる。
2023/08/13
うーちゃん
新潮ミステリー&サスペンスフェア『ラストがっ。』より。西村京太郎なんて、今さらどこから読めばいいのやらという感じだったけど、良いきっかけをいただきました。銀座のど真ん中に舞い上がる蝶の大群。そのあとには、微笑した青年の死体が・・。これ以上ない魅力的な導入から 次々と浮かんでくる謎に、十津川警部が挑む。現代の狂気をはらんだ背景があまり良い後味を残さないが、スピーディーな展開で楽しめたし、部下のためにコーヒーを淹れたりする十津川の優しいキャラクターに好感が持てた。ラストの衝撃度は、まあまあです(笑)。
2016/05/05
フリスビー
これは凄まじい。宗教団体による「連続予告自殺」を阻止しようとする十津川警部ですが、自殺を罰することは出来ず、新たな犠牲者が……。宗教の持つ「狂信」をテーマにした社会派な内容。ミステリーとしてもサスペンスとしても一級品です。1980年の作品ですが、全く古さを感じさせない傑作。ラストシーンには、胸をぎゅっと締め付けられます。
2014/01/15
朱雨
休日の亀井家のエピソードに何だかほっこりしたのもつかの間、銀座に舞い上がる蝶の大群に驚かされ、傍らには青年の死体。そこから始まる連続予告自殺に、「神の王国」を求める狂信的な集団と読みごたえのある作品でした。未来ある若者に、と言ったら厚かましいのだろうけど、生き甲斐でなく死に甲斐を教える指導者には全く理解できず…。ラストがまた何とも言えない気持ちになりました。
2023/05/09
もりの
古本屋で購入。次々と起こるパフォーマンス的自殺、その目的は?黒幕を探していくのがまぁまぁ面白かった。
2021/08/01
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