神戸・愛と殺意の街 (新潮文庫)
神戸・愛と殺意の街 (新潮文庫) / 感想・レビュー
Walhalla
神戸が震災からの復興に動き出している頃、事件が起こります。犯罪はいけませんが、犯人の行動は(小説の中では)必ずしも間違っている訳ではないような、そんな気持ちにならなくもないです・・。かなり重い雰囲気に終始しますが、メッセージ性のある作品だったと思います。
2024/02/08
エヌ氏の部屋でノックの音が・・・
勝手に列車祭」第262弾。。。文庫コレクション514冊目。。。平成12年 2月 1日 初版。。。この話は身につまされる。事件は別にして、こういう土地の奪い合いはあったと聞いている。個人の間でも境界線の問題が発生していた。。。事件は「神戸の悪党」名乗る犯人たちの脅迫状から始まる。うまく立回る犯人たちであって、最終目標のケミカルシューズ工場開設まで漕ぎつけるが、真の敵は吾らが十津川警部ではなく株価であった、大暴落ににつき社長(犯人グループ)の自殺という後味の悪い結果となってしまった。
2020/05/17
うさっち
神戸震災復興のため人は殺さず「神戸の悪党」と名乗る義勇団のような犯人達。こういう話ってつい犯人に同情してしまうので、ちょっと後味の悪いラストでした。
2014/08/11
greenish 🌿
「神戸の悪党」と名乗る人間から、ビール会社、銀行などに送られた脅迫状。それに続く巧妙な現金強奪事件。十津川警部は事件の鍵を求め、神戸に向かった。捜査の中で浮かび上がった男は、さまざまな作戦を使い、十津川と互角に渡り合う。強敵の出現に闘志を燃やす捜査陣。男は「夢の計画」を実現するために、十津川に最後の戦いを挑んだが―。港の街神戸をめぐる傑作長編ミステリー。
たつののトビウオ
【美談故に犯人に同情してしまう】★★★☆☆ 震災で亡くなった恋人の家業である、ケミカルシューズ工場を大きく復活させて長田区全体の復興をも成し遂げたい、という犯人の夢。そのための資金もお金のあるところや不正を働いた団体や企業から集めるが故、なかなか犯人に「犯罪はしているが正当な行為である」といった認識を持ってしまう。 『神戸25メートルの絶望』では、震災の中の「人災」に注目していたが、本書は「復興」に焦点を当てていた。兵庫県出身として、震災のいわば暗い部分を知れたことには意義があった。
2023/08/03
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