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東京湾景 (新潮文庫)

東京湾景 (新潮文庫)

東京湾景 (新潮文庫)

作家
吉田修一
出版社
新潮社
発売日
2006-06-28
ISBN
9784101287515
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東京湾景 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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yoshida

出会い系サイトで繋がった美緒と亮介。出会い系サイトでなければ、繋がらなかったであろう二人。お互いの距離を探りながら歩み寄る二人。感情のズレから離れるかと思った二人を亮介の気持ちが繋いでいく。始まったものは、いつか終わる。それが死であれば、どれだけ幸せだろうか。実際は冷めた感情が終わりをもたらす。吉田修一さんの冷めながらも、核心を付く言葉が読んでいて心地好い。それは私の心にも冷めた感情があるからかもしれない。日常の中で、純粋ゆえに起きる狂気。これも吉田修一さんの作品ならではであろう。満足の読書時間が持てた。

2019/09/12

ショースケ

吉田さんの平成15年に発表された恋愛小説。こんな話しも吉田さんは書くんだ。『横道世之介』や『ミス・サンシャイン』を読んだ後では本当に引き出しの多い素晴らしい作家さんだ。東京湾を隔ててお互い品川埠頭とお台場で働く亮介と美緒。美緒は昔から心で繋がる恋愛など小説やTVの中で話だと思っていた。亮介には愛はいつか終わるという切なさを持っている。身体だけの繋がりから心も繋がる恋愛へと、知らず知らず美緒は変わっていったのではないだろうか。その心の扉を開けたのは口数少ない倉庫で働く亮介。終わり方がまた粋でグッときた。

2022/12/20

酔拳

出会い系で出会った恋の話です。東京湾付近の電車模様を背景をきれいに表現している。普通ならはじめ会って終わってしまうような、どこにでもあるような話なのですが、恋愛に発展していくのがこの小説のおいしいところ。2人とも、相手を信じたいけれど、信じられないという現代の若者をうまく表現しています。終盤、アラン・ドロン主演の「日蝕」という映画の若い2人の恋人と対比させているのがうまいなとおもいました☆

2017/06/30

chiru

出会い系から始まる物語って言ってしまうと軽い感じになってしまうけど、恋愛の深いところを突いた作品。 どんな出会いでも、心を惹かれてしまったら、もう一度会いたいって思う不思議さ。 男性は相手にまっすぐで、女性は体の関係は愛じゃないと悩むんだけど、そういう悩みまで含めて恋愛だと思う。 美緒がモノレールに乗るシーンで、わたしも、日航機123便の安全啓発センターに行く時、はじめて東京モノレールに乗って、窓からの景色の美しさに感動したのを思い出しました。 ★4

2018/04/15

ゴンゾウ@新潮部

きっと出会い系でなければ知り合わなかったはずのふたり。初めはからだだけの繋がりから、心の繋がりを求めていく。心の繋がりを信じることが出来ない亮介と美緒が心の探り合いをする過程がまどろっこしく思うのは歳のせいだろうか。最後は落ち着く所に落ち着いたがしっくりこないのは自分だけだろうか?

2017/09/10

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