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長崎乱楽坂 (新潮文庫)

長崎乱楽坂 (新潮文庫)

長崎乱楽坂 (新潮文庫)

作家
吉田修一
出版社
新潮社
発売日
2006-12-22
ISBN
9784101287522
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長崎乱楽坂 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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yoshida

父が亡くなり、長崎の母の実家の三村家に身を寄せる幼い駿と悠太。母屋と離れからなる母の実家。伯父は三人。上の二人はヤクザ。一番下の伯父は離れで自殺した。三村の家の栄枯盛衰が駿の成長と共に描かれる。伯父・文治を慕う多くのヤクザ者で溢れていた三村の家。文治を慕っていたはずの正吾が神戸で独立し、徐々に三村の家は衰えてゆく。吉田修一さんは長崎の出身であり、街の情景や交わされる言葉がとてもリアルだ。因習のある三村の家。家から離れたくても何故か離れられない駿。ラストの火災に三村の家を取り巻いてきた男達の悲哀を感じた。

2017/09/07

mariya926

図書館から借りてきて読メに登録した時に人気がないなと驚きましたが、読んでみて最初の章で読むのを止めたくなりました。駿が戦後のヤクザの家庭環境で育ったらどうなってしまうんだろうと心配になりました。ただ私の長所というか短所というか、どんな本でも最後まで読んでみるの所があるので読みました。瞬が母を迎えに行ったからか結局家から出れずに、幼くヤクザの家の繁栄を全く知らなかった弟が東京に行く。最後の家の火事によって瞬が家の束縛から解放されることを願いました。それと末の弟の自殺の原因を知りたかったです。

2018/10/03

papako

吉田修一作品、長崎、ヤクザときたので、喜久雄の影を求めて読んでみた。全然影も形もいなかったけど、吉田修一らしい人間造形ととりとめなく、断片的で、そこにはいない駿の人生。『何がどうなれば、駿のような男ができあがるのか』そんな物語でした。結局幽霊は何を象徴していたんだろう。

2018/11/14

タツ フカガワ

造船所の事故で父親を亡くした駿は、母親千鶴の兄でヤクザ者の文治の家に世話になることに。背中に彫り物をした男たちが出入りするこの家には離れがあって、駿は7歳のとき、そこで幽霊の声を聞く。誰も信じなかったが、昔この離れで千鶴の弟が自殺したという。昭和の長崎を舞台に描かれるのは青春小説でも成長小説でも、もちろんホラーでもなく、行き場を見つけ(られ?)ない少年の姿で、それが妙にリアリティがあって読み始めたら一気に読了。とくにラスト数行の乾いた悲哀感漂う小説は好きです。

2024/02/25

keiトモニ

駿の小学校のバスケ部“俺がパン買うてこいって言うたのに、こいつ行こうとせん…何やそのツラ…今日の事家の者に言うつもりか…言わん…別に言うてもよかぞ”☜上級生による虐め。意味不明な嫌悪感で吐き気を催す気持ちに…三村家総出で仕返じゃって気分。海水浴で三村組の宴会が始まると“迷惑そうに帰り支度する家族が…その中に駿の中学の数学教師の家族もあった。幼い娘を抱いた教師は帰り際、憎々しげに駿を睨んだ…”その数学教師、きっと日教組だな。まっ昔の海水浴の活気は感じます。にしても徳永病院の娘が鑑別所送りになってたなんて…。

2017/09/13

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