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儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)

儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)

儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)

作家
米澤穂信
出版社
新潮社
発売日
2011-06-26
ISBN
9784101287829
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儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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サム・ミイラ

いやもう一話目からぶっ飛んでいる。ラスト一行の凄まじい破壊力。嫌な気持ちに顔をしかめながらもつい声に出して大笑い。ブラックジョークはかくあるべし!的な傑作。全てお金持ちの令嬢と召使いの物語。レトロ感満載でいったいいつの話だとも思うがそれも不思議な感覚に彩りを添える趣向。その衝撃は「玉野五十鈴の誉れ」でピークを迎え羊たちの晩餐で静かに幕をおろす。実に緻密に計算されたとても恐ろしくダークで爽快な短編集である。そして読者は必ずやメデュース号の筏とアミルスタン羊を検索する事になるであろう(笑)

2016/05/01

青乃108号

【バベルの会】なる読書倶楽部に集う名家の娘と使用人。それぞれの家中を見舞う惨劇を描く短編5話からなる短編集。似た様な舞台で似た様な人物達が演じる各話はどれも似た様な印象を残す。さすがに一気に読むのはしんどかった。1日1話ずつ読むのが精一杯。こちらにも不幸がうつりそうな、新年一冊目に読まなくて良かったと思った本。

2021/12/28

yoshida

「満願」で引き込まれた米澤穂信さん。「満願」が気に入ったならと読友さん達に紹介頂いた作品。名家の女性が集う読書サークル「バベルの会」。そこに加入し、また除名された者達の短編集。何と言うのだろう、肌が粟立つような、背筋が震えるような面白さ。「玉野五十鈴の誉れ」の最後の唄に絶句する。「身内に不幸がありまして」のラスト数ページにおののく。「北の館の罪人」の鮮やかな絵画の訳に驚愕する。「山荘秘聞」の淡々とした恐ろしさ。私はこの罪深さ、残酷さ、ほの暗さに惹き付けられて止まない。この作品に、深い闇の輝きを見た。傑作。

2017/08/20

カメ吉

この作品は異様な重さの感じる短編集。『バベルの会』と云う読書サークルで繋がってはいるけど各作品にはそれぞれの悪意があって吐き気がする感じでした。だいたい時代錯誤な設定が多くいつの時代?って思いました。この作者の作品?意外でした。

2016/05/26

33 kouch

穂信さんの本のなかでは「満願」に近い、イヤミス5つの短編集。5つとも読書会「バベルの会」に絡むものだが全体としてまとまっているわけでなく、個別に読んでも面白い。どの話にも怪しげな「秘密」が出てくる。多くを語らない文章構成も読者の想像を掻き立てる。真相に急に気がついたときはハッとなる。特に「玉野五十鈴の誉れ」の最後はイヤだった…「儚い羊たちの祝宴」のときにはもうアミルスタンの羊が何かがわかってしまう…

2023/09/16

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