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リカーシブル (新潮文庫)

リカーシブル (新潮文庫)

リカーシブル (新潮文庫)

作家
米澤穂信
出版社
新潮社
発売日
2015-06-26
ISBN
9784101287836
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リカーシブル (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ミカママ

面白かった。一気読み。土着民話と現在の利権が絡んだミステリーなんだけど、なんたって主人公のハルカがいい。まだ中1なのに、大人びていて世間を知り尽くしているかのような言動。とても頭のいい少女だ。彼女の人間関係(主に家族関係)なども横糸に、読者は次から次へとページをめくらされる。三浦先生もよかったな。彼女の成長を、後日譚ででも見守っていきたいものだ。順序は逆だが『追想五断章』も本棚にあったので続けて読むことにする。

2023/03/26

黒瀬

父の失踪により母親の故郷に移り住んだ少女・ハルカの成長物語であると同時に、過疎化の進む地方都市に残された伝承をオカルト的題材として見事に組み合わせたミステリ。 まず感じたのはよそ者に対する気味の悪いほどの拒絶。些細な違和感が連なっていき、僅かなヒビ割れが別のヒビと繋がっていくように『この町と住人は何かがおかしい』そう思いながら読みました。 結果として町の人々が縋ったものは作中序盤でハルカが指摘したように悪い道にしか進まないだろう。その為に多くの犠牲を払ったが、犠牲を払ったからこそ後に退けなくなったのか。

2020/04/10

kishikan

リカーシブル(再帰)というタイトルが、どのような意味だったのか米澤さんに聞きたいけれど、そんな話は抜きにしてもこれは結構問題作。複雑な事情を抱えた、母と姉・弟の家族。その家族が移り住んだ町には、奇妙な言い伝えと、今は中断している、かつては町中を巻き込んだ開発話があった。そんな中で、内気な弟は未来を予言したりデジャブの発言。主人公の中学生ハルカは、見知らぬ土地と学校生活に懸命に馴染もうとしつつこの土地が持つ謎を追う。十代特有の悩みを乗り越え成長する女の子を描いた青春ミステリ。その後がどうなったのか気になる。

2015/09/07

KAZOO

米澤さんの短篇を読んで長編が読みたくなったので、手に取ってみました。最後まで読ませてくれましたがちょっと短篇に比べるとやや冗長的な感じが無きにしも非ずでした。この本もやや既視感があり、恩田陸さんや宮部さんの作品を思い浮かべるところがありました。母親の存在感が薄い感じです。

2016/06/30

yoshida

練られた大掛かりな構成に、地方の因習を加えたほの暗いテイスト。米澤穂信さんの作品だと実感する。私は米澤さんが作品で「満願」が最も好みなので楽しめました。父が失踪し義母の故郷に引っ越した中学生のハルカ。義理の弟のサトルは小学生。初めての土地の筈が既視感を訴えるサトル。あたかも千里眼のような啓示を持つサトルに、ハルカは街が持つタマナヒメの因習との相似を見る。最後の対決で真相に感嘆する。あまりにも大きい仕掛けだった。聡明すぎるハルカ。だが、ハルカとサトルの未来は苦いものとなるだろう。ヒロインの強さも魅力の作品。

2020/05/04

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