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白い夏の墓標 (新潮文庫)

白い夏の墓標 (新潮文庫)

白い夏の墓標 (新潮文庫)

作家
帚木蓬生
出版社
新潮社
発売日
1983-01-27
ISBN
9784101288017
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白い夏の墓標 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ehirano1

当方、何を思ったかよりによってノロウイルス流行の時期に本書を購入し、ページ捲ってウイルスの説明を読むや、即座に積読(ウイルスの本読んだからといってノロに感染するわけないのに・・・アホか当方)。そして3年経過・・・やっと積読から解放、そして読んでびっくり!おどろおどろしウイルスやパンデミックの話がメインではなく、抒情ミステリー。しかも、当方が大好きな回想型記述。もう少し先まで読んで判断すれば良かったと大後悔。

2018/12/02

Lara

帚木蓬生氏32才、昭和54年のデビュー作のような作品。いやはや、同氏の作品には参りました。言うまでもない、精神科医師が、あらゆる知識を駆使して、筋書きが次から次へ展開する、壮大な物語。今もどこかの国では、細菌、ウイルスを兵器として、扱うことが行われているのか? 人と人のつながりが、人生を動かして行く。感動的な作品です。

2022/10/07

NAO

学力も地位もない身でのし上がっていくには、研究成果を上げるしかない。そういった黒田の執念のような野心が、新ウィルスを発見させたが、その発見は、黒田を幸せにしてはくれなかった。アメリカに渡って初めて黒田が知った事実、彼の良心のうずきと孤独。人間のエゴに凝り固まった邪悪なウィルス研究と、その基地として選ばれた広大なピレネー山脈とその麓に広がる美しい田舎町の対照が見事だ。そして、黒田のノートに綴られた思いの、なんという痛ましさ。かなり厳しい内容だが、最後がやさしさにあふれているのが救いだ。

2019/04/09

ehirano1

「・・・研究者を、逆立ちした科学に向かう者と、まっとうな科学を目ざす者に振り分けるものは一体何なのか。実は、何もない。(p157)」。科学は人類が利便を得る代償として逆立ちか、まっとうに振り分けられてしまうのですね。我々は科学を操っているようで実は操られている・・・・・。

2020/02/02

ehirano1

「未知のものを究めること自体が快楽としてひとり歩きしはじめると、まっとうな科学も、いつのまにか逆立ちしてしまう・・・だが、もっと恐ろしいのは、まっとうだと思いこみ、また人からもそう信じられ、その実、逆立ちしている科学ではないのか」。科学は一種のドラッグといえるのではないでしょうか。そしてそれを扱うのは研究者という“研ぎ究める者”。この文字からして研究者の視野が狭まりがちなのは必然です。何かを得るには何かを捨てなければならない。最近、これにばかり到達します。

2020/04/05

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