薔薇窓 上巻 (新潮文庫 は 7-14)
薔薇窓 上巻 (新潮文庫 は 7-14) / 感想・レビュー
藤枝梅安
舞台は1900年のパリ。万国博覧会が開かれている。パリ警視庁の精神科医・ジュリアンは警察に収容された精神的に病んでいると見られる患者を診察し、その後の処置を決定する仕事に就いている。仕事柄様々な人間を「鑑定」することになる。このあたりは筆者の経験が物を言っているようだ。ジュリアンの所に、日本人の若い女性が連れてこられる。「音奴」という名の少女はなにか恐ろしい経験をしたらしく、しかもフランス語がわからないので、とりあえず精神病院で療養させることにした。
2011/01/20
蒼
図書館臨時休館対策週間再読本。1900年、万国博覧会で賑わうパリの街で万博見物に訪れた外国人女性が次々と行方不明になる事件が起こる傍らで、精神科医ラセーグは緘黙状態の表情を無くした日本人少女を診察する。物語の行方に気を持たせつつ、人間の精神世界の隘路、迷路、複雑さを精神科医ならではの視点で読ませてくれる。合間に差し込まれるパリの公園や街角の様子が、その場にいるかのように光景が目前に繰り広げられる。ポリニャック夫人の誘いを拒否できないラセーグに、精神科医と言えども男の脆さは克服できないのかと、残念無念。
2020/04/11
montblanc
パリという華やかな舞台の裏で、精神を蝕まれた人々の診断を行う医師のお話。下巻も期待!
2010/04/07
藤枝梅安
1900年のパリを舞台にした小説。医学小説のようなミステリーのような、それでいてやはり恋愛小説?
2008/12/10
Shinke Taeko
★★★★☆
2017/09/08
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