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文明の憂鬱 (新潮文庫)

文明の憂鬱 (新潮文庫)

文明の憂鬱 (新潮文庫)

作家
平野啓一郎
出版社
新潮社
発売日
2005-12-22
ISBN
9784101290379
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文明の憂鬱 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

平野啓一郎氏が弱冠25歳にして、“VOICE”の連載を引き受けて挑んだ初エッセイ2年分をまとめたもの。プレイステーション2の新発売など、時代が10数年ズレはするが、エッセイそのものの骨格がしっかりしているので、その程度のことにはものともしない。ただ、同じ芥川賞作家の川上弘美さんや小川洋子さんのエッセイには、一読してすぐそれとわかる強い個性が感じられるのだが、残念ながら未だそうした個性を獲得するには至ってはいない。万事に理性的、観念的に過ぎるのだ。小説では、あれほどまでに情念的な文体を駆使するのにである。

2014/10/08

ヨーイチ

純文学は基本スルーの小生が珍しく手に取った純文学作家。「若いのに三島由紀夫ばりの文章」との評判を聞き、「日輪」目当てで文藝春秋を購ったのだと思う。ツイッターで割とまともな呟きをするので、作者への興味から購入。十数年前のエッセイだから古い事は古いのだが、問題提起は今でも有効な物が多い。此れは作者の観察、批評が本質とか原理を押さえているからであろう。執筆が二十代にも関わらず老成のような趣きが。但し嫌味ではない。

2015/09/08

はまだ

建物の興奮が、天井にあることはご存知だと思う。あれは雨を防ぐものであるだけでなく、中心だ。お札で言えば諭吉だ。急に金じゃないか。平野さんの文章は、(新書をのぞけば、ですかね)この短いエッセイの連なりすら、豪華。いや、2000年代前半の文章なので古い感じはある。ただし、「若さとは恐らく、意識されながら享受されてはならなきものである」とかね。何歳だよこのとき。まだ30歳かそこらじゃないか。おれその頃ヘラヘラしてた!天井って関係なくない!?★4

2019/10/09

ヨクト

作家・平野啓一郎さんのエッセイ。十年以上前の時事ネタとかもあるので少々色褪せてしまった感もあるが、当時にしかも二十代半ばでこれほどまでの考察ができ、造形深いとは恐れ入った。神学・芸術・政治・医学・食品問題等、多岐にわたる興味と深く考える力が平野さんの作品に如実に表れているのだろうか。

2014/04/06

tipsy

本棚整理を始めようとした結果再読。かなり前のエッセイで概ねのテーマはその当時の文明の現在についての観察と所感だがやはりこの人知性が凄い。目の付け所や考え方の切り口が違うし自分達と同じ様にニュースを見て街を歩いても、感じるもののアウトプットの仕方が違うのだろう。問題意識の掘り下げ方というか視点がシャープで現代だからこそ考えさせられる事が多い。いらない情報をしっかり無視し必要な情報のみ手に入れないと、ずれてきている現代社会の無駄な情報に左右される。情報過多の社会、常にまともな感受性でいたい。やはり瞑想か。

2015/05/03

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