決壊(上) (新潮文庫)
決壊(上) (新潮文庫) / 感想・レビュー
bunmei
一言でいうと、哲学的なサイコ・サスペンスといった感じ。平野流の文学的な言葉の中に、ヒタヒタと迫る猟奇的な怖さが迫ってきます。いつの間にか結婚し、平凡な生活を送っていることに、不条理な疑念を持つようになっていた良介。それは、兄の崇が秀才であるにもかかわらず、屈した世界観を持ち、人生に失望しかけていることと、妻・佳枝と崇との関係にも、疑惑を感じ始めていたから。その良介が、無惨な殺人事件の被害者となって発見され、容疑者として浮上したのが兄の崇。また同時進行のいじめ事件の復讐劇も絡み、サスペンスの色濃く下巻へ。
2019/11/07
s-kozy
存在の確かさ、不確かさ。目の前にいれば、その人は確かにいるのか?ネットの闇に真実はあるのか?突然起きたバラバラ遺体遺棄事件。いや、この殺人は必然か?「これはすごい小説なんじゃないの?」と予感を孕ませつつ下巻へ。
2016/08/31
NAO
ネットで殺人依頼がなされたり、集団自殺が行われたりする現代、あまりにも倫理観が希薄になって、他人の感情が読めなくなってしまった時代に、こういうことも起こりうると警告を発しているような話。ブラックホールを覗き込んだら、こんな感じなのだろうかと思うような暗さ、重さの中、下巻へ。
2022/07/16
優希
罪の重さの匂いがします。息の詰まるような事件の序章と言うべきでしょうか。無関係に見える2つの人生が関わりを持つことで、明らかに何かが起こっているように感じました。何か分からない苦しさなのですが、そこに引き込まれずにはいられません。下巻も読みます。
2021/08/19
優希
許されぬ罪の重さがのしかかってきました。息が詰まりそうな事件の序章と言うべきでしょうか。一見無関係な2つの人生が関わり合うことで、何かが起こっているのは明らかです。衝撃と苦しさがのしかかりますが、その重みが魅力に感じる物語でした。下巻も読みます。
2022/07/12
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