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椰子・椰子 (新潮文庫)

椰子・椰子 (新潮文庫)

椰子・椰子 (新潮文庫)

作家
川上弘美
山口 マオ
出版社
新潮社
発売日
2001-04-25
ISBN
9784101292311
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椰子・椰子 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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❁かな❁

まさに川上弘美さんワールド♪めちゃくちゃシュール(笑)日記形式で不思議な世界が語られてて、そんなのないよ〜って思う事でもリアルに想像できたりするから面白い!人間じみてる、もぐらと写真撮影、言葉を話す大きな鳥のジャン&ルイ、コピー機に女の子が住みついたり…。奇想天外で川上さんらしい、おかしみがあり、ほっこりしちゃう感じ♡旦那さんがいるけど片思いしていたり、彼氏もいたりしてそこも川上さんワールド♡ご自身の夢日記から始まった「うそばなし」の数々♪半分は実際の夢とのこと*文庫化にあたり「ぺたぺたさん」も収録。

2017/04/22

masa@レビューお休み中

タイトルの『椰子・椰子』の意味もわからなければ、表紙の絵がなんなのかもわからない。だから、ページを開いた瞬間、何が起きているがわからなくなり混乱する。その読者の混乱をよそに、日記は淡々と綴られていくのだ。まるで読者の混乱を楽しむかのようにおかしな日常が描かれていく。たとえば「近所の原っぱに怪物が住みついたと聞き、見にいく。」とある。詳しい説明も、その後の展開もまったくない。尻切れとんぼ状態で、僕たちの戸惑った心を放置して、翌日の日記へと続いていくのだ。恐るべし川上弘美女史!

2014/10/06

ケイ

シュールレアリスムが文字になり、本になったような感じ。その世界に溶け込むのは、楽しかったり、少ししんどかったり。挿し絵が想像を助ける。最初の季節の語り手と、最後の語り手は違うなのか、季節ごとに人格がかわるのか...。春は柔らかい。夏はめちゃくちゃくちゃ。秋はだらしなく、冬は暗い。ひとつ気に入らないのは、なんでも受け入れすぎだってこと。不思議さを受け入れるのはしなやかさだけど、理不尽なことには怒って欲しい。怒りがないぶん、私に憤る感情を残す。ジャンとルイは、いいね。

2018/11/29

ヴェネツィア

川上ワールド全開のお話に、これまた飄飄とした山口マオの絵がおまけに付いている。ただ、いつもとちょっと違うのは、日記形式をとっていること。各季節の終わりにある短編を除いては、概ねショート・ストーリーズの連作といった趣き。中には、わずか1行「松も取れたので、冬眠に入る」などというThe shortestとも言うべき、ショートショートの限界を突き破ったようなのまである。もちろん、1日ごとの単体で読むものでもなく、トータルに「軽み」の世界を味わうものだ。

2012/08/06

nico🐬波待ち中

いいなぁ。川上さんのこの世界観はクセになりそう。ふわふわして優しくて。川上さんの夢日記が元になった物語。川上さんの紡ぐ「うそばなし」は現実離れしているのにとても自然体で、読んでいてすんなり受け止められるから不思議。「解説」の南伸坊さん曰く「奇妙で、トボけていて、ヘンなんだけれども、とてもホントウらしいところが魅力」まるで夢の中にいるかのような安らかさ。思わず微笑んでしまう位、おおらかに気持ちのいい読書を楽しめた。また川上さんの夢日記が読んでみたい。

2018/06/01

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