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センセイの鞄 (新潮文庫)

センセイの鞄 (新潮文庫)

センセイの鞄 (新潮文庫)

作家
川上弘美
出版社
新潮社
発売日
2007-09-28
ISBN
9784101292359
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センセイの鞄 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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しんごろ

センセイとツキコさんの二人の醸し出す独特の距離感がなんとも心地良いですね。歳の差が離れたならではのつきあい方に、これぞ大人の恋愛だと思う。センセイ、ひょっとして自分の死期を近づいてるのわかってたのかもしれないね。ラストは、まさかなと思いつつも、やっぱりかあとなり、思わず涙。清らかな切なさと言いましょうか、優しさ溢れる素敵な作品で名作だと思います。

2019/09/29

ykmmr (^_^)

ふとした再会から、『禁断』(?)の恋に落ちた、かつての師弟関係の両者。賛否両論ある恋愛関係ではあるが、いやらしくなく、センセイの年齢もあり、むしろ穏やかである。年老いた先生を支える始まりであったが、それが『愛情』へ変わっていく。基本、センセイ主体だが、ディズニーなんかも出てきて、ツキコさん主体にも変わる。世代間(観)埋め合わせの記述が見事。最後、センセイのご子息にも会い、貴重な「二人だけの時間」をやり切ったのではないか?

2023/02/14

hiro

『蛇を踏む』『神様』とはまったく違う小説だっだ。小泉今日子と柄本明のWOWOWのドラマを見て、積読本になっていたこの本を取り出した。三十歳の年の差ある元高校教師と教え子の恋ということで、プラトニックな関係を描いたものだと勝手に思っていた。その勝手な想像は外れたが、「センセイ」「ツキコさん」と呼び合い、「センセイ、好き」「ワタクシも、ツキコさんが好きです」という二人に男女のいやらしさは感じなく、いらぬお世話だがこの二人の背を押してやりたくなる(笑) 楽しい読書でした。

2017/02/07

ゴンゾウ@新潮部

静謐という言葉がぴったりの恋愛小説だった。行きつけの居酒屋でたまたま再会した恩師と触れ合ううちに少しづつお互いに惹かれあっていく。ことばを交わすうちに少しづつかけがえのない存在になって行く。戸惑いながら距離を置いたりしながらも少しづつ。ふたりの交わすやりとりや会話、仕草がとても繊細で美しくとても静かに上品な作品に仕上がっている。ツキコが時折みせる女心や涙に胸が熱くなってしまう。

2015/09/22

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

[再読]ひとり居酒屋で呑む37歳のツキコさんが隣り合ったのは、高校時代の国語のセンセイ御歳約70歳。 ふたりでめぐる四季のなんとも自然な感じ。川上さんの描く季節は美し過ぎて泣けてくる。 月を見ながら縁側でちびちびと酒を飲み、冬は冷えた身体を熱燗で温め、夏は島に遊山など行ってみたりする。 ご年配のひとと過ごす時間はなんとなく終わりを意識してしまって少し切ない。 人は結局のところどうしたってひとりきりで、そのわずかの時間をどのように他人と共有できるかなのかなぁ。 美しい恋愛小説。大好きです。

2018/05/02

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