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なんとなくな日々 (新潮文庫)

なんとなくな日々 (新潮文庫)

なんとなくな日々 (新潮文庫)

作家
川上弘美
出版社
新潮社
発売日
2009-03-02
ISBN
9784101292380
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なんとなくな日々 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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pino

時々、駄々をこねる電化製品たち。そんな事もあるわさ。って気持ちが分る気がしてた。そしたら、川上さんが、実に的確に駄々っ子の心理をひも解いてくれた。「気がした」じゃなく、本当にそうなんだ。しかも、川上さんの言葉は、空気を含んだスポンジケーキのようにふわふわで、優しくて心地よい。でも、困った。読んだ後に、川上ワールドに襲われている。この先、何度、蛍光灯の臨終に立ち会うのか、とか、蕾や蛹を見ても、そこに別の時間が流れていると思うと狼狽してしまう。今なら川上さんを見かけた人の話より、カッパを見た人の話を信じそう。

2012/12/07

ヴェネツィア

「あとがき」で、小説家になったらエッセイを書かなければいけないので、小説家にはなりたいけれど、なりたくないなんて言っているけれど、なかなかどうして川上弘美はエッセイも上手い。彼女は日頃、「テレビも見ないし、ラジオも聴かない」そうなので、そのことがまた幸いして、時事性の強い題材がないものだから、エッセイの連載後十数年を経た今でも少しも古びてはいない。時には大づかみな性格の著者のおおらかさがうかがえ、また時には極めて繊細なところも見せている。台所の蛍光灯の「そろそろ」という語りに「さよなら」と呼び掛けるのだ。

2012/11/13

びす男

作者が「なんとなく」な日常をなんとなく綴り、読者がそれをなんとなく読む。平和で幸せな構図だと思う■「鋭い知見やユーモアなんて書ける気がしない」と作者は言う。でも、面白かった。きっと、嫌みがないからだ。文章にお高くとまったところがあれば、内容がいかに画期的でも、決して読み手を楽しませなかっただろう。川上さんのエッセーは力みがなく、鼻につかない文章だった■なんとなく過ごしていても、人はそれなりに感じ、考えているんだな。きちっとした考察よりも、そんなたゆたう思いを文章に収めることの方が、本当は難しいんだと思う。

2018/03/08

おくちゃん🍎柳緑花紅

[センセイの鞄]と[ニシノユキヒコの恋と冒険]が大好物の川上弘美さん。そして東京日記というエッセイの面白さといったら、そして今回読んだこのエッセイも、裏切らない。何だかほんわり。 自分でも気づかないうちに力が入っていた身体があちこちからすーっと楽になる。「雨の日は匂いだけでなく景色もちょっとやわらかい」素敵だ。そして一番のツボは夜中の古本屋。仕事の資料を探しに行ったのに、ここまで書いただけで、もう思い出し笑い。楽しい読書時間でした。

2016/04/20

コットン

なんとなくな日々の中にも何かある川上さんの日常。「ディズニーランドへいってコーヒーカップやメリーゴーランドばかり乗ったり」「憂鬱な気分だったのが、小学生の少年との世間話で目を見開かされたり」と、ゆるーく独自の視点が心地いいエッセイ。

2013/12/16

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