ぼくの死体をよろしくたのむ (新潮文庫)
ぼくの死体をよろしくたのむ (新潮文庫) / 感想・レビュー
さてさて
川上さんが一切の制約を受けず、思いつくままに想像力を駆け巡らせた先に誕生した18の物語。ファンタジーっぽい作品から、ちょっと不思議な恋の物語、そして表題作など、そこに展開するバラエティー豊かな内容には驚かざるを得ません。『ぼくの死体と晴美とさくらをよろしくたのむ』表題作に登場する『紙片』に書かれた謎の記述の意味を思う作品をはじめ18もの短編が収録されたこの作品。川上さんの短編世界の魅力を感じるこの作品。あなたもきっと気にいる短編を見つけることができる。非常に幅の広い物語世界を味わうことのできる作品でした。
2024/08/08
はっせー
短編集や日常系の話が好きな人におすすめの本になっている!全体を通して言うとありそうな日常系の話が18篇入っている。例えて言うなら精進料理といったところであろう。優しくて体に染み渡るいろんな短編と言うなの小鉢。どれが主役ではなくどれもが主役にも脇役にもなれる。そんなふうに感じた!僕の死体をよろしくたのむというタイトルからは想像できない世界へ連れてってくれる。やっぱりこうした短編を読むと何か心がポカポカして春が来たなーって実感できた!みなさんもぜひ読んでほしい本になっている!
2023/04/01
クプクプ
短編集。ハードカバーで読んでいて、今回は二度目の読書。相変わらず「土曜日には映画を見に」は、特別に面白かったです。その他は「鍵」、「バタフライ・エフェクト」、「憎い二人」が今回は面白く感じました。最初に読んだ時より、私も成長し、一度目と別の本を読んでいるようでした。川上弘美さんの短編集は、派手さはないですが、現実を忘れる世界が広がっていて、読んでいて、気分転換が出来ます。この一冊で私は、読書メーターの500レビューを達成しました。
2023/04/23
佐島楓
藤子不二雄的に言えば、「SF(すこしふしぎ)」な短篇集。絶対にこれは現実にないだろうと感じつつも、この感覚や感情は知っているな、と共感できるのがおもしろい。実年齢と精神年齢にギャップがある登場人物がすごく多くて、そこが一番理解できた。わたしはわたし。それ以上でも以下でもない。
2022/09/05
エドワード
寓話、おとぎ話、人情、ミステリーのワンダーランド。魔法が使える。変身できる。時をかけることができる。亡き人に会うことができる。おもちゃ箱のような、自由な世界が素晴らしいです。ダンスの上手な和田明子、憎い二人とマコちゃんとの温泉旅行、精神年齢に応じた外観、解散する家族、ミワちゃんとトーコさん、不思議満載の面白さ。プラモデルマニアも同じ商品を3セット買うそうですよ。「バタフライ・エフェクト」「廊下」の巧みなしかけが上手いです。読み終えて、杏子先生の絵画教室に通うこと、逆行サークルに入ることが私の憧れです。
2022/12/09
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