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菊亭八百善の人びと (新潮文庫)

菊亭八百善の人びと (新潮文庫)

菊亭八百善の人びと (新潮文庫)

作家
宮尾登美子
出版社
新潮社
発売日
1994-11-30
ISBN
9784101293073
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菊亭八百善の人びと (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ミカママ

宮尾さんが女性の一生を描いたものに、ハズレなし、のはずだったんだけど、これを書かれたときにはご高齢(?)で、最後まで体力がもたなかったのか?と穿ちたくなる作品でした。宮尾さんには珍しく、不倫の匂いをプンプンさせたのはちょっとドギマギしましたが。これだけ長編で引っ張ったのに、ラストこれですか?みたいな。主人公が何をしても中途半端で、感情移入ができなかったのも、敗因のひとつ。残念。

2014/11/12

saisan

大好きだった宮尾登美子さん。遥か昔、櫂に始まり春燈、朱夏、仁淀川と貪るように読んだ。それらに較べると小粒で物足りない。ヒロインが余り好きではなく、しゃっきりして細腕繁盛記らしいところをみせて欲しかった。板長とのプラトニックラブが妙に生臭いし。それでも途中で読みやめようとは思わなかったが。店を盛り立てていく姿を期待していたがその前に終わっちゃったなー。皆さんのレビューを読んだら私と似たようなかんじ。さもあろう。

2014/04/22

エドワード

江戸時代に創業し震災と戦争で休業していた江戸随一の料亭、八百善が戦後再開した。サラリーマンの次男、福二郎に嫁いだはずの汀子の人生は激変する。客商売は全くの素人、一筋縄ではいかない使用人たちに忙殺される汀子の心の支えは若い板長、小鈴への秘めた思いだった。老舗の経営は難しい。変わる時代の中で、伝統を守れば客足は伸びず、時流を追えば名が廃ると嘆かれる。江戸の粋に固執する八代目了二と昼行燈のような福二郎も、視点を変えれば違った人物像になるだろう。船頭多くして船山に登る。ゆっくりと傾いていく八百善に滅びの美を見る。

2016/06/22

そうたそ

★★★★☆ 結構な分厚さに読むのを躊躇していたが、ようやく読めた。歴史ある料理屋であるが、戦争の間閉店を余儀なくされていた八百善。そこへ嫁いだ下町育ちの汀子が、戦後、店の再興のため奮闘する姿を描く。八百善という料理屋自体は実在したらしく、きっちり調べ込まれて書かれているのだろう。面白いのはやはり店が軌道に乗り出す中盤。途中からは、不穏な恋も絡んできたせいか、後半はやや失速気味に思えた。再興を目指すも、時代の波に抗えない老舗、というのはリアルなところ。スッキリする話とは言えないが、読み応えある傑作だった。

2023/09/22

ううち

時代小説好きには言わずと知れた有名料亭『八百善』の人たちお話。輝かしい時代を知っている人が伝統伝統といっても上手くいかないもんですね。 嫁に来た汀子の頑張りは物語としては今ひとつなのかもしれないけど、時代を考えたら現実的かも。内容は結構ドロドロ系なのに爽やかに読み終えた。

2018/12/16

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