クレオパトラ 上巻 (新潮文庫 み 11-13)
クレオパトラ 上巻 (新潮文庫 み 11-13) / 感想・レビュー
優希
華麗な歴史ロマンを感じさせました。紀元前1世紀にエジプトに現れたクレオパトラ。美しいのみならず、神に導かれるように女王の座に就き、信仰と国のために危うい駆け引きをする姿は一国の指導者としての表情を見たようでした。運命の人であるシーザーと出会うことで、今後どう国を動かすのかが気になりますが。全てを捨てて女性となりうるのか、国を背負う策士として近づくのか。古の魂の行方は恋と国とを駆け巡るのでしょうね。下巻も読みます。
2018/05/15
kawa
ロ-マによって支配されていたアフリカ・中東、エジプト女王・クレオパトラ7世の物語。「ロ-マ人の物語」で描かれるかの地のことを、かの地の人々から見る描写が興味深い。当時のエジプト朝がマケドニア系ギリシャ人によるものであったこと、王家の血脈を残すために親子婚や兄弟婚という風習があったこと等が印象的。ちなみに「ロ-マ人の物語」では、愛人関係にあったシ-ザ-(カエサル)との間に出来た子供・シ-ザリオンや、ロ-マでの凱旋式に彼女が出席していたことは描かれていない。
2021/03/17
shou
前半の、信仰や女王としての執務に打ち込む姿が凛としていたので、後半の恋に夢中で信仰も国も放り出す変貌ぶりが、女らしくはあれど残念でもある。ここからまた変貌したりするのだろうか。
2013/08/01
Hiroshi Takeshita
一流の小説家に、長年の構想、膨大な参考文献に、現地取材。そして、題材が魅力的。ここまで、そろって、大コケするという、稀有な作品である。いや、若手のデビュー作なら、これでも良いのだけれど、宮尾登美子という作者に期待するものって、大きいのだ。まぁ、物足りなくはあるけれど、蘊蓄モノとしては、情報が多いから、それなりではある。同じ歴史小説で、有吉佐和子の華岡青洲の妻を読んだ後だから余計にガッカリだった。それにしても、ファロスの灯台。27階建てのビルくらいあるのだよ。紀元前の話だから、こちらの方に気を取られる。
2024/09/25
aoko
有名なエジプト女王・クレオパトラの人生の物語。上巻は14歳から20代前半まで。初めのころは神に祈ったりして信仰心のあつい女性だったけれど、ジュリアス・シーザーに出会ってから一気に軸が恋愛に傾くあたり、古今東西不変なものは不変なんだな、と思った。当時のエジプトやローマの様子や文化も描かれていて面白い。クレオパトラと息子がローマに滞在して1年以上過ぎたところで下巻へ。
2023/09/05
感想・レビューをもっと見る