湿地帯 (新潮文庫)
湿地帯 (新潮文庫) / 感想・レビュー
Smileえっちゃん
表題に誘われ、宮尾さん独特の文学の世界を期待して読み始めたが、全然違った感じを受けました。ミステリーだからかなと思ったが、重みが感じられなく、これが宮尾さんが書かれたものなのかと・・・デビュー直後に書かれたものだったのですね。あとがきに「自分でも恥ずかしい作品です」と言われているように自信作でなかったのですね。
2021/11/08
James Hayashi
初出は50年以上前、高知新聞に連載されたもの。もちろん舞台は高知。高知県薬事課長小杉啓がバスの中で会った美しき女性との恋、高知駅で会った薬局女店主の不自然死とミステリーを兼ねあわせた作品。地方の薬局の状況など詳細に描かれ社会性のある場面も多く、興味を惹かれ、古さをあまり感じさせない。しかし、力強さと深みを感じられないのは初期の頃ゆえか。
2017/12/16
さとむ
タイトルからしてドロドロの大恋愛ものかと思いきや、社会派ミステリーの色合いが強くやや拍子抜け。松本清張にかなり影響を受けて書かれたことがわかる。
2015/12/12
アン
宮尾登美子さんの初期作品。ご本人の解説を読んで納得。
2017/07/06
nikko
唐突さを否めない箇所があったものの、全体的になかなか読み応えのある作品。小杉の人間性にも魅力を感じ、何年か経ってまた、「自分がこの作品をどのように感じるか。」読んでみたいと思う。あと、『松風の家』を読んだ時にも松本清張作品の場面を思い浮かべることがあったが、あとがきに「影響を受けたのではないか云々」のくだりがあり、『あながち気のせいでもなかったのか…。』とも思った。
2013/06/06
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