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帰りたくない―少女沖縄連れ去り事件 (新潮文庫)

帰りたくない―少女沖縄連れ去り事件 (新潮文庫)

帰りたくない―少女沖縄連れ去り事件 (新潮文庫)

作家
河合香織
出版社
新潮社
発売日
2010-05-28
ISBN
9784101297521
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帰りたくない―少女沖縄連れ去り事件 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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hatayan

47歳の中年男性が10歳の少女を連れ回した事件。沖縄への逃避行で主導権を握っていたのは少女の方で、保護されたとき少女は「帰りたくない」と口に。性行為に及んだことをもって男は悪質な誘拐犯として裁かれますが、男は二度の離婚を経て孤独をかこち、少女は両親から棄てられ虐待を受け、生き延びるべく逃げ場を求めていた背景がありました。少女の体に残る手術痕を見て、男は「その傷のおかげで君は生きている」と少女を肯定したといいます。誰が被害者で加害者なのか断罪することから距離を置き、心の奥で起きたことを探ろうとした労作です。

2020/06/08

ユーカ

一気読み。「セックス・ボランティア」から数年で筆力が格段に上がっている。構成の上手さはノンフィクション作家としてはずば抜けていると思う。取材に対する姿勢も申し分なく、行き過ぎ(著者にのしかかる負荷)を心配するくらいだ。47歳の男性が10歳の女児を連れ去った。沖縄で発見された時に女児は「帰りたくない」と言った。何がどう事情があろうと連れ去った男性が悪い。リュック・ベッソンの『レオン』は映画なのだ。女児はサバイブする為に彼を頼った。男性はそれを利用しただけで、彼がしたことや想いは愛情には程遠い。

2017/01/13

きのぴ

「家には帰りたくない。」47歳の男に連れ回され、沖縄で保護された少女はそう言った。親子のように振る舞い、時に少女が主導権を握っているかに見えた二人の間には一体何があったのかー。読めば読むほど衝撃的な事件。男がおかしいのは当然として、少女がなぜこのような行動をとったのか理解できない。少女の環境にはたくさんの問題があるけれど、私はやっぱり母親に少女と会ってほしかった。自分の子供にこれだけ関心が持てないってなぜなのだろう。こんな事件があって少女がこれからの人生を普通に歩めると思えない。

2022/05/25

Nori Shamp

10歳の少女が、その行動で言動で発するサインを周囲の大人達は、何故気付いてやれなかったのだろう。何故、愛情に飢えた少女をやさしく、ぎゅっと抱きしめてやれる大人がいなかったのであろう。最初に救いの手を差し伸べたのが、47歳の男であったとすれば、それは悲しすぎる。保護されてもなお、「帰りたくない」と言う少女の気持ちに大人たちは、もっと向き合って欲しかった。今、少女はどうしているのだろうか。やさしく抱きしめてくれる大人に出会えていればいいのだけれど・・・

2012/01/10

kroon@きろん

著者の取材力も構成も素晴らしいノンフィクションです。いつまでも心の中にしこりのように残って思い出されることになりそうです。ただし、この本は手元に残しておきたくない内容です。ですので、図書館で借りて良かったと思います。

2015/05/28

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