あと少し、もう少し (新潮文庫)
あと少し、もう少し (新潮文庫) / 感想・レビュー
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襷は想いを繋ぐ。だから重くて美しい!再読なのに深く共感。何度も泣けた。中学の駅伝大会に挑む6人の心情を見事に描いた秀作。市野中は18年連続で県大会に進んでいた。だがこの年は部員不足で助っ人3人を勧誘。不良の大田などが化学反応を起こし、個人がチームに変貌していく様子は読者の感動を呼ぶ。陸上を知らない美術教師が顧問になるが、彼女は意外にも活躍。もうひとつの問題は部長の桝野。エースなのにタイムが出ない。選手たちの練習とレースを区間ごとに描く構成も見事。三浦しをんの解説は読む価値あり(後述)。今年のベスト本候補!
2020/02/14
さてさて
『僕』『俺』『俺』『俺』『僕』『おれ』の6人が中学生駅伝の襷(たすき)を繋いでいく物語。臨時編成の駅伝チームの6人、すっかり調子を取り戻した設楽、他を寄せ付けないパワフルな走りを見せる大田、一本筋の通った根性のあるジロー、スマートさに磨きのかかった渡部、本番に向けて勢いを増すばかりの俊介、そして何故か調子の上がらない桝井が順番に描かれていきます。そんな彼らのひたむきで、力強く、そしてまっすぐに駆ける青春を見る物語。まぶしくて、輝く光に満ち溢れたかけがえのない時間を共有させていただいた素晴らしい作品でした。
2021/07/11
Kircheis
★★★★★ 中学生の駅伝大会を描いた青春ストーリー。 6人の走者達それぞれの視点から駅伝、そして生きることに対する思いが描かれ、それらが組み合わさることで更に一人一人の個性を輝かせている。 またそれぞれのキャラは、リーダー、内気、ヤンキー、皮肉屋、ムードメーカー、後輩ちゃんと全くバラバラ。 そんなキャラたちの中には自分と重ねてしまう者もいるはず。 自分は皮肉屋で、天才気取りの渡部くんに近いかな(^^;) 一つ残念だったのは、今ではなく若い頃にこの本に出会いたかったこと笑
2018/12/26
ウッディ
臆病な設楽、不良の大田、お調子者のジロー、ニヒルな渡部、1人だけ2年生の俊介そしてキャプテンの桝井。そんな寄せ集めの中学駅伝チームのメンバーが、それぞれの事情とチームへの想いを胸に襷を繋いでいく。まず、この本の構成が素晴らしい。1区から6区までを走るメンバー毎に、出来事や会話をそれぞれの視点から描かれる。それと頼りなげで、何も考えてなさそうな新米顧問の上原先生の存在感も良い。みんなで走ることの喜びや幸せが、温かく、爽やかに描かれた話で、とても面白かったです。
2018/01/31
射手座の天使あきちゃん
ツッパッてたり、やたら自分に自信が持てなかったり… そんなちょっと個性的な中学生たちをひとつのチームにまとめるのは一本の「タスキ」 陸上経験ゼロで顧問になった上原先生がなんとも素敵♪ ラストは握りこぶしで声援したよ「あと少し、もう少し 頑張れ❕」 サイコ~でした。瀬尾さん ありがとう (^_^)ゞ
2020/12/28
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