響きあう脳と身体 (新潮文庫)
響きあう脳と身体 (新潮文庫) / 感想・レビュー
すー
「AかBか」という直列的-局所的な思考ではなく、「AもBも」という並列的-分散的な思考をしなければ物事の本質を捉え損ねることになる。例えば、「ゆとり教育か詰め込み教育か」「TPP参加か不参加か」という発想ではなく、教育なら「子供たちが社会を生き抜く力を身につけるためにはどうすれば良いか?」を考えるべきだし、経済なら「国民の生活を豊かにするにはどうすれば良いか?」を考えるべきであるということ。部分に固執するのではなく、常に全体を見渡しながらなされる思考が現代においては必要とされている。
2011/11/23
nchiba
最近頭ばかり使って身体を使わない、使えないとよく思う。タイトル通り脳と身体は響きあうのだ。本ばかり読んでいないで身体を使おう。と、僕は思ったな。
2010/12/15
晴間あお
「響きあう」というタイトルは、時系列と同時並列どちらの意味も含まれていてなかなか深い気がする。矛盾していることもたくさん出てくるがそれもそのはずで、その理由は本書の中でも語られている。限定的な部分の解は出しやすいが、それらをただ足しただけでは全体にはならない。だからと言っていきなり全部やろうとしても無理だろうし、部分と全体のバランスやネットワークが大切ということか。自分の知っている中では養老孟司の「脳化」、東浩紀の「ゲーム的リアリズム」、梅棹忠夫の「情報産業論」あたりとも響きあっていると思った。
2018/09/25
Satoshi Arashima
でっかくなり過ぎた「脳」への警鐘。身体性を取り戻す。要素還元論的な発想の限界。型稽古の本質。見習い文化の再考。甲野さんすご過ぎるんで、簡単に真似できないですが、ヒントはたくさんもらえた気がします。
2013/12/20
えいな
解説通り確かに、噛み合ってるような噛み合ってないような不思議な対談集。たぶん読者に何かを教える本じゃなくて、こういう人がいるって感じることが重要なんだろうなぁ。甲野さんはやっぱりすごい…wこういう人がいて、考えてることがあるってだけで一種の勉強になるよなぁと思う。そういうのもあるんだ、って広げていくことが大事なのかな。
2010/11/27
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