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しかたのない水 (新潮文庫)

しかたのない水 (新潮文庫)

しかたのない水 (新潮文庫)

作家
井上荒野
出版社
新潮社
発売日
2008-02-28
ISBN
9784101302522
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しかたのない水 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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しんたろー

井上荒野さん初読み。あるスポーツジムに関わる人々の連作短編集…浮気性だったり不倫に浮かれていたり、各々が「困ったちゃん」状態で生々しい日常を過ごしている…主人公が移り変わりながら交錯している構成なので、一つの街の話としても楽しめた。誰もが身近にいそうなリアルさで、ダメな自分を持て余している感じに共感を覚える。毒や皮肉も込められているが、それでいて「人間って、しかたないよねぇ~」と愛情を込めた「冷めた熱」みたいなものも感じる。各話で描かれている「孤独」に、光に魅せられ火に飛び込む蛾になった気分で読み終えた。

2018/12/06

モルク

東京近郊にあるフィットネスクラブの人々を描いた短編集。なんと癖の強い連中。1話目の女を次々と乗り替え派手な色のビキニパンツの水着をひけらかす自意識過剰の男(確かに25年くらい前にはその手の水着は多かった)から始まりフラメンコの講師だった妻が失踪した水泳コーチまで、次々とさまよえる人々が登場する。本作をフィットネスクラブのバイクをしながら読み始め翌日マッサージ機で揉まれながら読み終えた。様々なレッスンに通う人が噂好き、詮索好きというのはどこでも同じだな。

2023/04/24

じいじ

どいつもこいつも「仕方のない…」奴らだと、タイトルの妙を読み終えて思った。さて本作「昨日、俺は暁子を殴った。」と、不穏な空気が漂う書き出しだ。理由の有無を問わず、自身の彼女をゲンコツで殴る男はサイテーだろう。読み心地は、脂っこい中華料理を喰わされているようで、決して良くない小説だ。でも何故か、ところどころでキラッと光るところがあって放り出せなかった。これが、井上荒野ならではの巧さなのだろう。

2022/06/17

ミカママ

直木賞作家さんということで、このたび日本より持ち帰り。受賞作品「切羽」への助走、みたいな。内容は、どこにでもいそうなんだけど、それでいてひとくせもふたくせもありそうな、男女の恋愛周辺のお話。私の大好きな連作短編集。ますます「切羽」への期待高まりました。

2014/08/04

はらぺこ

どっと疲れた・・・。フィットネスクラブなんかもう行けへんわ・・・。金払うてまで面倒臭い人間関係に巻き込まれたくないし。 最後の話は結局何なんか全く分からん。既婚者には共感できる話なんでしょうか?

2012/06/07

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