あたしたち、海へ (新潮文庫)
あたしたち、海へ (新潮文庫) / 感想・レビュー
活字の旅遊人
これまでもイジメやそれに関連する作品は、それなりに読んできたつもりだが、これは刺さる。男性である僕には、女子のこういう雰囲気は実体験としては分からない。でも刺さる。いや、分かるような気がする。男性社会に全くないのではなくて、程度の問題ということなんだろう。それにしても皆いろいろ考えて、その上で行動しているんだな。イジメのボス側が持つ不安や、高齢者専用マンション住民同士のイジメにも触れている点もよかった。娘がこの年代であるせいか、つらい読書になったが、ラストは爽快だ。読んでよかった。
2022/12/28
優希
胸に刺さるものがありました。スクールカーストものだからでしょうか。クラスを仕切る女子に反発した海はいじめの対象になってしまいます。友達も低恋できなくなり、海のまわりからも理不尽な社会が浮かび上がるのが辛いところでした。心を抉られてもがく人々への光のような物語だと思います。
2024/07/25
海燕
私立の女子中学でのいじめを素材にした物語。初めて読む著者だが、女性だからこれだけ書き込めるのだろうか。ジェンダーレスが叫ばれ、男が、女が、という物言いはとかく批判の的となる時世だが、学校のイジメの世界には、厳然たる男女差があるのではないだろうか。章ごとに異なる人物の目線から語られ、いじめグループの中心にいる女生徒もまた、些細なきっかけで今の関係性が崩れ、自分もいじめの対象となり得ることをよく自覚していると知れる。閉塞した空気に疲れたが、最後には一縷の光が見える場面もある。ペルーは、遠い場所の比喩なのか?
2022/08/15
Viola
きついわ。きついけど、ページをめくる手が止まらんかった。よい本でした。
2022/06/23
keigo
息が詰まりそうな私立女子中学校の人間関係の中で悩む二人を中心とした物語。いじめという現象の周りに、それにかかわる人たちそれぞれが問題を抱えている様が描かれる。痛ましい話だが、それでもラストは希望が持てた。井上荒野作品は好きだ。
2023/01/11
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