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狐笛のかなた (新潮文庫)

狐笛のかなた (新潮文庫)

狐笛のかなた (新潮文庫)

作家
上橋菜穂子
出版社
新潮社
発売日
2006-11-28
ISBN
9784101302713
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狐笛のかなた (新潮文庫) / 感想・レビュー

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kariya

ずっと見ているだけだった、それでよかった。心の声を聞く不思議な力を持つ小夜が助けた子狐は、使い魔として心ならずも使役されている霊狐の野火だった。一瞬しか交わらぬ筈の二人の運命は、積年の怨みを纏う国の争いに巻き込まれ、大きく変わっていく。他作と趣を変えた和風ファンタジーだが、造り込まれた設定、善悪を割り振っただけでない人物像、感情移入せざるをえない主人公達などは、上橋作品ならでは。自分が決して加われない闇の中の光を、暖かくたいせつな思い出として抱く野火の心には思わず涙した。野を駆ける姿は何であろうと軽やかだ

2009/11/23

射手座の天使あきちゃん

この文庫本の裏表紙にキャッチ(概要)書いたの誰ですか? 「小夜は12歳、人の心が聞こえる・・・ 野火は、この世と神の世の(あわい)に棲む霊狐・・・ 二人の孤独で、けなげな愛が燃え上がる・・・」なぁんて、いかにも読メ・ユーザの心惹きつけそうな文章ですよねぇ!?(笑) 読み進むにつれて脳内に鮮やかな映像が浮かび上がってくる美しい物語でした、ホントこれお薦めでした! (^_^)v

2012/01/18

エンブレムT

作者自身が「美しいと思ったものを集めた作品」と言い切るように、舞台となる情景も登場人物の心根も、そして読後感までもが美しい物語でした。久々に読み返したのですが、何度読んでもイメージが色鮮やかに映像として浮かんできます。人の思いを聞き取ってしまう小夜。「使い魔」として生きる霊狐の野火。風が吹き渡る夕暮れの野で出会う、冒頭のシーンから既に映像の嵐です。作品が児童文学に位置付けられてるのを少し不満に思っている私ですが、文章の美しさや賛否両論のラストは、感受性の柔らかな子供に味わってもらいたいとも思いました。

2010/11/26

*すずらん*

この壮大な物語りの魔力は絶大で、一時も私を離さなかった。正に作者の礎となる作品だろう。憎しみによって呪い殺め、そういった負の感情は綿々と続いていく。断ち切るには赦すという行為でしか成し得ない。しかしその決断は、憎しみの只中にいる時にはとても難しい。守るという本当の意味を知る為には、真実の愛に触れなければならないからだ。どうにもならない想いを抱えると決める事は、半端な覚悟ではできない。今手の中にある物全てを投げ出さなければ抱えられない。だけど勇気を出して手を離した瞬間、私達はやっと救われることができるのだ

2013/11/02

kaizen@名古屋de朝活読書会

野間児童文芸賞】新潮百冊】狐と人間の交流というと,「手袋を買いに」を思い出す。 場所は春名の国、夜名の森の近く。登場人物は 小夜、野火、玉緒、小春丸、鈴、大朗。 野火視点で読んだ。誰の視点で読むかで,気分も違うかもしれない。日本の文化の根っこであるアイヌと沖縄の縄文文化を想い起こす。ある意味幸せ終わりだって安心した。解説:金原瑞人、宮部みゆき。解説で小夜のばあちゃん視点があることを知る。

2012/06/15

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