信長燃ゆ(上) (新潮文庫)
信長燃ゆ(上) (新潮文庫) / 感想・レビュー
yoshida
本能寺の変から35年。信長の近習として変を生延びた人物が、信長の目指していた未来と本能寺の変の黒幕を記す。大和王朝以来、日本の為政者は朝廷の権威により政権の正当性を主張してきた。幕府を開いた源頼朝、足利尊氏。信長以降の豊臣秀吉、徳川家康、そして明治政府。信長はそこに異を唱えようとした。朝廷が征服の正当性を日本書紀や古事記で主張するならば、信長自身が新たな神話を築くこともまた正当。そこに千年以上、隠然たる力を保持する朝廷や寺社勢力が謀略を駆使し対抗。信長の革新性に踏み込んだ歴史解釈が面白い。下巻が気になる。
2018/07/16
優希
面白かったです。信長の真の敵は朝廷であったという解釈が興味を引きました。本能寺の変から始まり、そこに至るまでの過程を描く物語。巨大な力を持つ信長に反感を持ち始めた近衛前久ら公家。武家と朝廷の駆け引きとも取れる争いが始まっていくのに心躍ります。戦国時代の覇者は「天下布武」のもと、世を変革していきますが、そこに絡む陰謀がいかに襲いかかっていくのか、下巻が楽しみになりました。
2018/01/31
竹本明
久しぶりの歴史小説。それも、信長・・・面白かった。近衛前久と織田信長の権力争いが中心に書かれ、歴史上のいろんな人物が登場する。本能寺の変の朝廷の陰謀説にからめ、「天下布武」を狙う信長との駆け引き、物語としても絶賛。上巻完読。とても楽しく読めた。続きの下巻がさらに楽しみ・・・。
2019/10/24
アイゼナハ@灯れ松明の火
信長の真の敵は朝廷だった!旧い権威に囚われぬ新しい国を創るため,天皇を超える存在たらんと朝廷に圧力をかけていく織田信長。受けて立つのは五摂家筆頭,前の関白近衛前久。信長の繰り出すあの手この手を,公家流の手練手管で丁々発止と撃ち返す緊迫した展開が非常に面白い。各々の信念も重層的に描かれていて読み応えあり。個人的には,朝廷に圧力をかけるための京都馬揃え後の宴会で,遠路上洛してきた家臣たちを労うために腹を立てまいとしているにも関わらず,やっぱりキレてしまった信長の描写がツボ(笑)まさに甲斐への出陣を前に下巻へ!
2013/05/08
優希
再読です。「天下布武」を成し遂げ武力をもって世を変革していく信長。しかし、その力は大きくなりすぎたようにおもえす。友好を結んでいた武将たちも反感を持つのも納得してしまいます。武家と朝廷との駆け引きとも言える争いが起こっていくのに引き込まれました。信長の天下に絡む陰謀がいかに襲うか。下巻も読みます。
2023/12/27
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