LOVE (新潮文庫)
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LOVE (新潮文庫) / 感想・レビュー
さっとる◎
好きだぜ古川日出男、な1冊(’-’*)♪目黒・品川・五反田あたりを舞台に疾走する・徘徊する・猫を数える(笑)巨大な短編。直感だけを生きる指針に、魂をこめた雑談をして。文章が日本語として正しいのかとかそんなのは二の次だ、直感をフィーリングを愛する魂にぐっときたんだから、それでいいじゃん。分類としては群像小説?20人くらい出てくるもんね。でも、東京の夜はすべて猫の問題なんだ。そしてちょっと速度とか鯨とかウサギとか猿とかロックとか、あと愛ね。戦う。守る。面白かったけど、面白かったってより好きだな、この本。
2016/05/15
とら
正に著者が言うところの〈リアル・ジャパニーズ文学〉である。舞台は東京―品川区から目黒区の辺り。多種多様な人物が織り成す群像劇が、詳細な地名の記載と説明と、リズム感溢れる文体でスピーディに描かれている。正直堪らなく良かった。古川作品の中ではNO.1。でも一つ言えるのは、この作品で描かれている風景が実際に浮かんでいると、更に良くなると言うことだ。個人的にこの舞台となってる近辺は縁があって知っているので、本当に直接頭の中に風景が飛び込んでくる様だった。読んだ人は是非実際にこの舞台の地面を踏みつけてみて欲しい。
2015/12/05
さっとる◎
あたしはきみのことを知らない。セツジツな衝動のことなら知っている。一切合切が愛だ、つまり、LOVE。春はすでに加速している。だから確信に満ちて徘徊をしよう。ばっちり共闘しよう。夜を数えながら音の鳴る方へ行こう、色のある方へ行こう、猫がいる方へ行こう。そこには愛があるからLOVEでいっぱいの地図を作ろう。しっかり誤読した現在位置で、アコギで奏でるロックをあたしにちょうだい。ノイズをバックに、ハートを複数形で歌ってちょうだい。ブルーは即刻処刑、禁止事項なんてクソ喰らえ。ね?だってほら、夏がくる。夏が、くるよ。
2020/03/22
さっとる◎
未読の続編「MUSIC」を読みたくて再読。想像力が未知の領域から降ってくる。目黒に行きたい。行きたいが、恐らく場所だけの問題じゃない。私には何が視えている?テリトリーを広げろ。
2017/04/01
たぬ
☆3.5 5年前に読んだ『ゴッドスター』には2.5点しか付けられなかったんですがこれはどうかなー? 血のつながりも何もない異世代(時には異種族とも)の交流がいいなあ羨ましいなあ。文章はちょいとせわしないけど慣れればこれはこれで…だったんだけど後半は飽きてきちゃった。出てくる人間は小学生、ギター青年、おばちゃんくらいで良かったかも。でも野猫図は面白いね。
2021/10/11
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