身体の文学史 (新潮文庫 よ 24-1)
身体の文学史 (新潮文庫 よ 24-1) / 感想・レビュー
まあい
近現代の日本文学から、日本人の身体観を読み解く。文学から当時の社会を解析するという、ある意味社会学的な視点の評論で、ときどき出てくる「脳化」という語も近代化(あるいは近代的社会化?)とほぼ置き換え可能。養老孟司の言う「身体」とは、おそらく大塚英志が「マンガには身体性が欠如している」と言うときの「身体」と同じだろう。だとすれば「身体のマンガ史」は果たして不可能なのだろうか?
2017/01/24
會螢
語られる文脈の知識が乏しくより難解に感じた。要再読。
2017/03/14
寛理
☆☆☆ 昔、伊藤計劃が絶賛してたので今さらながら読んでみた。かなり雑な評論だが、日本の身体軽視はむしろ江戸時代以来の話だと言ってて面白い。大岡昇平の「事実」という語に注目しているところもあり、よい。
2020/03/22
ハイザワ
存在と身体性の問題は絡み合っているはずだが、近代文学ではそれが個人の精神とのみ関わって論ぜられていた。 言葉の世界を捨て肉体の世界に沈んだ三島への言及でこの論考は締めくくられるが、それは身体回帰の可能性を暗示させるどころか、余計に身体を文学から遠ざけているようにも感じる。果たして可能性は開けているのか?
2015/08/08
Yamato Watanabe
身体性の復権に興味があり手に取ったが、自分が期待していたよりも文学史、作家論よりだった気もするが、現代にも通じる歴史を振り返っての示唆に満ちていてとても面白かった。
2014/11/10
感想・レビューをもっと見る