河童が覗いたインド (新潮文庫)
河童が覗いたインド (新潮文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
ヨーロッパ篇に比べると、人を描いたものが多いという印象。また、見慣れたせいもあってか、前作ほどには絵に驚きを感じなかった。そうはいっても、表紙のタージマハールの絵をはじめ、余人の追随を許さないものであることは確か。合わせて、いつもなかがらに練達した文章を読む楽しみも。あとがきでも強調しているが、インドはあまりに広くて多様だ。たとえ1年いたところで、これがインドだとは言えないのだろう。だから、「河童が覗いた」というタイトルには、まさにそうした謙虚な旅人の姿勢が現れていて、その点でも好感が持てる本だ。
2014/12/09
金城 雅大(きんじょう まさひろ)
観光地ではないインドの諸地域を周りながら様々なトピックを探求しており、当時の日本人はほとんど知らなかったであろう「インド」を教えてくれる。 舞台美術家でもあり、パースをきちんととった俯瞰図も特徴的。 かなり鮮明に描かれていて当時のインドの様子が鮮明に伺える。
2019/07/02
まい
患者さんが教えてくれた本、高校生の時に読んで人生が変わったって、世界に羽ばたいた彼女。アメリカでしばらく雑誌の編集されていたそうです。 何度も挫折しながらやっと読了、日本とは環境がかなり違うことだけはわかりました。しかし、手書きの文字と絵には脱帽。
2023/04/01
毒兎真暗ミサ【副長】
著者の河童さんはグラフィックデザイナー。文字も自筆。イラストも自分で味のある素朴な図解。インド人のイラストも克明だ。第一章【カルカッタ】から河童さんの災難は始まる。空港でまず荷物を盗まれ、タクシーに乗ると650円の料金なのに6500円請求される。やめて(笑)だけど河童さん。「インドに来たぜーこれぞインド!」と実感が湧いたらしい。変人(笑)河童さんから見たインド。なんだかワクワクするね!
2024/06/11
can
河童さんのバイタリティー、画力、ワクワクを掻き立てる文章力でもうお腹いっぱいの一冊。とにかく情報量が多い!インドの歴史や文化についても深く調べられていて、一度では消化しきれません!とにかくインドとは多様性の国、というのがとてもよく伝わった。あとがきの「インドが抱えている問題は、世界が抱えている問題と同質」という言葉が心に残った。確かに、楽しい事ばかりでなく、差別や貧富の差や人口増加など、リアルに描かれていました。河童さんが訪問してから30年余りが経ったけど、今のインドはどう変わっているのか、気になる所。
2015/08/21
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