おもたせ暦 (新潮文庫)
おもたせ暦 (新潮文庫) / 感想・レビュー
佐々陽太朗(K.Tsubota)
またまた付箋だらけである。欲しいものばかり、食べてみたいもの、行ってみたいところがまたまた増えてしまったではないか。おまけに読んでみたい本まで増えてしまったぞ。まことに困ったことだ。当然のことながら東京のものが多い。これまた困ったことだ。どうしてくれよう。「あとがき」に書かれた平松さんの愛読書『ピアノの音』(庄野潤三)を買いました。庄野氏の本は高校生の時に『プールサイド小景』を読んで以来だ。正直なところ、あの頃は庄野氏の良さをわかっていたとはいえない。いまならわかる気がする。
2018/01/12
おくちゃん🍎柳緑花紅
おもたせ。平松洋子さんが実際に贈ったり頂いたりした絶品おもたせ。どれだけメモしたことか。「まつのはこんぶ」頂いたなら飛び上がって喜んじゃう。北海道の仲間たちにあのみずみずしい水ナス味わってほしいなぁ。等々色々な大切な人に想いを馳せながら私の胃袋に想いを馳せながら美味しい美味しい優しい一冊に大満足。たくさん紹介された中に北海道の物があったら更に嬉しかったなぁ。取り寄せたいリスト作りました。平松洋子さんは気取りがなくて大好きです。
2014/12/08
つねじろう
豊かさって大事だよねと思う。そう贅沢とかお金は有るわよとはちょっと違う。心の在り方というか他人を気遣える想像力の豊かさかなぁ。またその心を形に置き換えて表現出来る才能?喜ぶ顏が見たいからの努力を惜しまない結果を重ねて得た技とか工夫とかそれ自体を愉しむ余裕?任せろ人を喜ばせる引き出しは結構持ってるぜみたいな。なんかそれもカッコいい。そんなおもたせが季節に順じて55品どれも頂きたいし持って行きたくなる。其々に想いや腕まくりや奮闘努力がありそれも楽しめる。この本自体もそんな豊かで素敵な女性からの頂きものでした。
2018/12/31
ぶんこ
自分が大好きな品を持参して「おもたせ」をいただく至福の時。またお客様からいただいた品を「おもたせ」として一緒のいただく幸せ。そんな素敵な時間をたくさん持たれている平松さん。たくさんの素敵な交流があることに驚きつつも羨ましい。私にとっては自分から自分への「おもたせ」になるけれど、欲しくなって検索しまくりました。唯一義両親への手土産、密かに「おもたせ」期待の品としての「末富の両判」。「末富ブルー」と呼ばれるオリジナルの包装紙に惹かれたのですが、何と今は無いのか?検索したら別物になっていて寂しい。
2018/02/26
ユメ
おもたせという日本語はこんなにも柔らかな響きを含んでいたのか。お口に合うかしら、喜んでいただけるかしらといささか緊張しながら選んだ手土産が、相手の「おもたせですが」のひと言でぱあっと晴れやかに。贈り手ともらい手がおもたせを分かち合う時間は、優しい嬉しさに包まれている。素敵な文化だ。本書には平松さんの選んだおもたせの写真がフルカラーで掲載されていて、包み紙の美しさまで含め、分かち合う瞬間の幸福を思い描くことができる。血の通ったやりとりに心がほっと和らぎ、私もこの文化を継承できるような大人になりたいと思う。
2018/02/13
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