深追い (新潮文庫)
深追い (新潮文庫) / 感想・レビュー
yoshida
三ツ鐘警察署は庁舎のすぐ裏に署長と次長の官舎があり、その裏に家族官舎と独身寮を併設。職場と住宅がほぼ一体で「三ツ鐘村」と揶揄される。三ツ鐘警察署に勤務する男達の短編集。職場と住宅が一緒だと私生活は皆無。濃厚な人間ドラマが生まれるけど落ち着かない。私も以前の勤務地で、営業所長以下、男子社員の社宅が同一敷地にあり落ち着かず。夏は早めに退社したら皆で草むしりして飲みに行くなど、合宿かと思ったりしました。肝心の感想ですが、濃密な警察社会が詰まり読ませます。「仕返し」の真相に驚く。警察社会の密度を存分に味わえます。
2017/01/06
ehirano1
各々の主人公達が苦悩しながらも最終的には新しい一歩を踏み出す短編集でした。なんだか当方も頑張ろうという気持ちになりました。
2017/03/17
しんたろー
地方の所轄・三ツ鐘署を舞台にした7つの短編集。ミステリとしても人間ドラマとしても高いレベルで安定した作品群は状況も感情も伏線も全てが過不足なく描かれる職人技。人のダメな部分をドライに表現するが、クールに終始する事なく余韻と希望を持たせてくれるのが嬉しい。どれもが甲乙つけ難いが、人情が濃く出た『訳あり』と『人ごと』は特に気に入った。いつも思う事だが、横山さんの短編集は「短編ミステリとはかくあるべし!」と言える佳作揃いなので、もし「警察小説」というジャンルだから避けている人がいれば、偏見を捨てて読んで欲しい。
2017/10/31
夢追人009
不人気な所轄、三ツ鐘警察署を舞台に起きるさまざまな人間ドラマの数々。『深追い』人生は後で後悔せぬ様に深追いして己の信念を貫くべき。『又聞き』暗い記憶を引き摺らずに罪悪感と訣別しよう。『引き継ぎ』出世競争に敗れても心晴れ晴れとなる時もある。『訳あり』己の出世より人の幸せを優先させる道も真実だ。『締め出し』下っ端の意地と賭けが実を結んだと信じたい。『仕返し』例え出世を棒に振ってでも正道を歩む為に人生のやり直しに踏み切るべき。『人ごと』結果を恐れずに積極的に人と関わって行けば大丈夫いつか相手に誠意が伝わります。
2018/06/20
ダイ@2019.11.2~一時休止
警察物の短編集。引継ぎや訳ありがよかった。
2014/05/09
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