戦争の法 (新潮文庫 さ 29-2)
戦争の法 (新潮文庫 さ 29-2) / 感想・レビュー
Y次郎
まるで海外小説のようなデビュー作「バルタザールの遍歴」からがらりと作風一変の長編二作目は著者の出身地、新潟(作中ではN※※※県)を舞台とする。それぞれ別人が書いたような二作も後の「ミノタウロス」を並べるとなんとなく佐藤亜紀的なるものが見えて来るような気もする。多くの知識が必要であることが前提の物語をけしてその知識をひけらかさずに挿入する余裕。そして寓話的でありながらどこまでもリアル。こんな感じ。物語は単純で複雑。感想を言葉にするのが難しい。とりあえず好きです。
2020/03/08
臓物ちゃん
1975年、新潟人民共和国建国……赤旗翻る裏日本でゲリラとなった少年が、全てが終わった後の大人の眼からあの時の混濁と狂乱を描いた、数ある「共産主義化日本」の中でもダントツで最高傑作な一冊。これはヤバいぞ…!戦争とゲリラの話だけどヒャッハー大爆発血がブシャーッな内容ではなく、日本田舎的なあのイヤーなジットリ感を随所に折り込みながら、突如として出現した「ソ連領昭和日本」の現実感を詰め詰めで描写してるため圧がスゴい。世界観とガッツリ四つに組むような読書体験を味わえるグレイトな一冊。もちろんオススメ。
2018/02/04
sattin
私もN***に住んでいたので、N県独立は他人事とは思えず読みました。これも全半ちょっと退屈だったけど、後半のゲリラ作戦のあたりは面白かった。伍長、面白い人だなあ。あと、ほとんど喋らない千秋が気になりました。
2009/05/28
ちょろいも
なんというか、文章の情報量が違う。
2008/05/06
マサキチ黒
再読。やはりサトウさん、最高です。
2019/08/30
感想・レビューをもっと見る