街場の大阪論 (新潮文庫)
街場の大阪論 (新潮文庫) / 感想・レビュー
たかやん
ついつい京都本ばかり手に取ってしまってたので、たまには大阪本を。本書は大阪案内本というより、スタバやコンビニでにぎわう均質的な消費空間と、街のお好み焼き屋のような小商い的路地裏空間を、それぞれトピック毎に対比する、比較文化論のような内容。スタバとお好み焼き屋の最大の違いは、双方向のコミュニケーションが成立するか否か。大阪トピックとしては、アメリカ村の産みの親として有名らしい日限萬里子氏の話題を興味深く読む。
2018/06/08
tsuyoshi1_48
大阪の、それも特定エリアの人のみが共感するであろう論説であり、一般向けとは言いがたい一冊。著者のいう「街場」なる概念は短い言葉で要約することは難しく、「例えばこういうもの」といった事例で把握していくイメージ。大阪出身者としては「せやせや」と膝を打つことも多くある反面、こういう経済合理性の間尺では計れない街場の「大阪らしさ」が、世の標準化の大波に抗し切れない現実を思うと、「ごまめの歯ぎしり」にも思え、寂しく感じます。おもろいけどね。
2010/07/28
abkbo
大阪は東京に比べて面白くないと常々思っていたのだけれど、ちょっと違うのかもと思い直した。以前から気になっている平川克美さんの消費をやめるという主張が頭ではわかるけど、面白いと思えなかった(つまり長続きしない)のが、この本を読んで腑に落ちた感じ。消費を前提とした街づくりが典型的な東京のやり方だとすると、ミナミや長堀の隆盛は成り立ちから異にする。しかし、普段、なんとなく違和感があるけどうまく表現できないことを整理してあざやかに言葉として定着させるところはさすが名編集者だ。こういう大人なものの見方、憧れる。
2016/08/12
さとう
うーん。岸和田生まれだんじり育ち♪な俺の昔から知ってる大阪ってとこはこれこれこうだった、って語るときと、まさしく切って貼ったようなメルロ・ポンティやらボードリヤールやらとの落差があんまりにぎこちないなあ。内容以上にそれが気に障ってしまった。そういうのがやりたいんなら内田樹よろしくもっとうまくやらないと。Meetsは好きなだけに残念。
2013/02/25
さつき
大阪そだちって下町かニュータウンかで全然違うと思ってて、いわゆる「大阪人」のイメージってあくまで下町的だと思うので、自分を大阪人にくくるのは抵抗があります。これ読むとなおさらそんな感じになってしまった。読んでてしんどくて途中で投げたのですが一応読了。そこが語りたいことではないにしても、ある一定以上の年齢の人が文章や主張に「昔はよかった」的なニュアンスをにじませてしまうと俄然面白くなくなるというか、読んでて辛いです。
2011/10/01
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